開成番長の勉強術:新学年で大変になった勉強を乗り越える3つのヒケツ

個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。

2021年の中学受験が終わったのがつい先日だったような気がしていましたが、気付けばもう3月に突入してしまいました。

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 塾の新学年にはもう慣れましたか?

 学年が上がると授業時間が伸びたり、通塾日数が増えたり、宿題の量が増えたり、子供の負担が大きくなります。

 もちろん量だけでなく質も上がり、勉強内容が難しくなって、フォローが大変というご家庭が多いと思います。

 例年この2・3月は、新学年の授業についていけず、テスティーでフォローしてほしいという問い合わせが増える時期です。

 どうやってこの大変な時期を乗り越えていけば良いのでしょうか?

 今回はその秘訣をシェアしようと思います。新学年になってお子さんが辛そうだなと思ったら参考にしてみてください。

まず、量的な負担増に関しては、解決策は2つです。

 1つ目は、スケジューリングを手伝ってあげること。1日の時間を最大限に活用することは大人だって難しいですよね。私にも日々無駄にしてしまっている時間はたくさんあります。子どもであればなおさらです。

そうした無駄な時間を上手に使うことができるようになれば、量が増えた分を吸収しきることができるはずです。

時間を上手に使うためには、1日のやるべきこととやったことを可視化するのが効果的。予定を立てるとやる気のスイッチが入りやすくなりますし、やったことを可視化すると改善点が見えてきます。

でも、これを子どもに「自分でやりなさい」と言っても普通はできません。

ですから、私たち大人が相談しながら計画を一緒に立ててあげたり、やったことの聞き取りをしてまとめてあげたりすると、どういう風にやれば良いのかが子どもにもわかるようになります。

テスティーでもスケジューリングが苦手な子は、講師が11でサポートしているので、ちゃんと少しずつ上手な1週間を過ごせるようになっていきます。

2つ目は、やるべき勉強を取捨選択してあげることです。要するに、あきらめるべきところはあきらめるということですね。

「やった方が良いこと」はたくさんあります。無限にあると言っても良いでしょう。ついついあれもやらなきゃこれもやらなきゃとなってしまいがちです。

それに拍車をかけるように、多くの塾では過剰に宿題を出します。

こなせなければ生徒の側の責任にできますが、課題が足りなくて塾の指導が不十分と思われるのは困るという発想なんじゃないかと思います。

「宿題は最低限こなすべきもの」ではなく、宿題自体すでに過剰というケースは多いのですね。

ですから、宿題をこなすだけでいっぱいっぱいになっていたとしても必ずしもお子さんが悪いというわけではありません。その中で優先順位をつけて、「絶対にやらなければいけないもの」を決めてそこだけに集中するようにするとだいぶ気持ちも楽になります。

「やった方が良い」レベルのことは「やらない!」と割り切りましょう。これはお子さんが自分で判断するのは難しいですよね。自分に甘くして切ってはいけないものを切ってしまうことも、逆に切り捨てるのが心配で切ることができないこともあるでしょう。

私たち大人が長期的な視点と現在のお子さんの力量を踏まえて、適切に判断してあげる必要があります。

テスティーでも、サピックスや早稲アカと併用している子は、「ここだけ頑張ればいいよ」と示してあげると、ずいぶんホッとした顔をしたりするものです。

中途半端に手を広げるより、そうして絞り込んだ重要なところを徹底する方が、ちゃんとテストで点が取れるようにもなるんですね。

そして、質的な負担増に関しては、おすすめ解決策は1つです。

それは、前の学年の関連単元に戻って復習することです。確かに難しい内容になってはいますが、カリキュラムの進度は本来ちゃんと無理がないように作られてはいます。

それがつらくなってきているということは、これまで学習した内容の理解度が、カリキュラムが想定しているレベルに到達していないということです。

そのせいで、習ったことができるようになっていることを前提として習う新しい単元が理解できないのですね。

ですから、急がば回れということで、前提となっている以前習った単元の復習をすることが必要なのです。

土台が不安定では、上積みは望めません。基礎からしっかり積み直して、今やっていることがちゃんとわかるようにしましょう。

私たちテスティーでも、通っている塾のフォローアップを依頼されたときには、そうした感じで基礎のおさらいからやらせたりしています。

こうしたことも、今目の前の単元をこなすだけで精いっぱいな子どもが自分で考えてやるのは困難です。

特にサピックスに通っていたりすると、テキストを整理して関連単元がどこに載っているかを子どもが自分で把握するのは不可能に近いと言えるでしょう。

親御さんの方で教材を管理して、過去の単元とのつながりを把握して、前提となっているところのフォローアップをしてあげてください。

最後になりますが、本日お伝えした内容は、「すべてやらなければいけない!」とプレッシャーを感じないようにしてくださいね。できていないご家庭がほとんどですから、あなたのご家庭ができなくても不利になることはありません。

1つでもできたら他のご家庭を出し抜ける♪くらいの気楽な気持ちで考えてもらえればと思います。

3つお伝えした中で、できそうなことからやってみてくださいね。

それでは!