昨日は3月31日の年度末、参議院では本会議が開かれて多数の法案が採決されました。ほとんどの法案に賛成したものの、日本維新の会は「NHK予算」には今年度も反対いたしました。
なぜ我々がNHK予算に反対するのか。
詳しくは柳ヶ瀬議員の質疑動画を見ていただくのが一番良いのですが(NHK会長が激おこしている様子が見れます)、
大きく反対の理由は3つあります。
①「通信と放送の融合」改革に一貫して後ろ向き
これはずーっと言われていることですが、テレビとネット放送の垣根が消える中、NHKなどテレビ業界は大改革をしなければならないのに、NHKは一貫して否定的・消極的でした。
結果、徐々にネット・スマホでもテレビ番組は見られるようになってはきたものの、諸外国に比べてこの融合は非常に遅れています。
「民業圧迫が云々」と言い訳を重ねてはいますが、結局テレビ業界の既得権を守るための動き以外の何物でもなく、受信料で運営されるNHKがテレビ業界を守る盾となっている状況は看過できません。
②総務省の接待問題で、調査要求にゼロ回答
東北新社から始まり、NTTにまで大規模に及んでいる総務省官僚による接待問題。
総務省側の膿を出し切るためにも、公共放送であるNHKを調査するべき・NHKは全面協力をするべきと我々は一貫して求めてまいりました。
電波利権・接待問題の「本丸」公共放送NHKを調査せよ!そして電波オークションの導入を
ところがこれに対してNHKは一貫して「ゼロ回答」であって、そんな状態で軽々に予算へ賛同はできません。
③有価証券(債権)が積み上がる漫然とした経営体質
そして柳ケ瀬議員が質疑で最も強く追及した点がこれ。
NHKはそもそも非常に高コスト体質で、人件費は約1万人に対して約1.1億円(単純に割ると約1.1千万円 / 1人・年間)。番組制作料は年間3,600億円と、文字通り民間と比べて桁違いになっています。
にもかかわらず、毎年1,000億円近いキャッシュが生み出され、その一部は投資として有価証券購入に充てられ、積もり積もった有価証券(債権)の金額は6,000億円にものぼっています。
先般、ようやく受信料を(たったの)1割下げるという改革案が発表されました、その一方では漫然と高コストの経営を行いながら、投資として有価証券を積み上げている。
「いくらなんでも、もうちょっと国民に還元して受信料を下げたり、改革のための建設的な用途に使えるんじゃないの?」
と思うのが当然だと思います。
さらにNHKは様々な子会社を所有し、そこに「随意契約」で仕事を発注してお金を流し込んでいるのだから、その改革の余地は有り余るほどです。
こうした点などを総合的に考え、維新としてはNHK予算に明確に「反対」との姿勢を示したものです。
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NHKや総務省の姿勢は厳しく糾弾していく一方、本日も「(総理に出すと解散されそうで怖いから)総務大臣に不信任案を出すのだ」となぜか軌道修正をした一部野党により、またも審議が停滞するという事件が起こっています。
審議を止める前に、NHKやNTT改革など、野党が率先して提言・議論すべきことはあるはずです。
支持者向けのパフォーマンスに走るビジネス野党とは一線を画して、我々は明日以降も審議に応じて建設的な議論を重ねてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年3月31日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。