拝啓 吉村府知事殿。なぜ大阪が重症患者が多いのかを統計から示します

日本中はいま第4波の入り口です

大阪のコロナの感染が拡大しています。吉村知事は「明確な第4波」と言っておられますが、あたりです。リバウンドではありません。第4波です。

FilippoBacci/iStock

さきほど「大阪の新規感染確認599人 500人超は1月23日以来 2日連続全国最多」というのが流れて来まして、東京は414人ですから「東京より多い」とマスコミは騒ぎますが

吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) on X
本日の検査数5885件 陽性者数432人 陽性率7.3%(1週平均2.8%) 感染源不明者273人 感染源不明者の前週増加比2.69、 平均数188.43人 20・30代週平均陽性者数135.29人、前日増加比1.16 重症病床使用率40.2%(90人) 軽症中等症病床使用率38.6% ホテル療養使用率27.0% 🟡警...

陽性率は確かに急に上がっています。陽性率7.3%(1週平均2.8%)ですからここ数日で急に増えました。東京も3/30の発表では7.2%ですのでいよいよ拡大期かなと考えられます。

何度も書いていますがインフルエンザの流行でさえ止められなかったのに、コロナの流行を止められるわけがない。コロナはかなり規則的に拡大して勝手に収束するを繰り返してきました。過去3回ともそうで4回目も同じ。たぶん5回目も同じです。

東京の波を分析する

大阪も東京も波形はあまりかわりませんが、大阪の通期のが見当たらないので東京で解説します。

ピークからピーク

●1~2波3.5ヶ月
●2~3波 5.0ヶ月

ピークアウトから増加に転じる

第1波 2ヶ月半
第2波 2ヶ月半
第3波 2ヶ月半

と、規則正しいです。

なのでわたしも↓のAIもピークアウトは次は1~3波より少し伸びて、5月の中旬から6月くらいかなと思ってるわけです。世界各国を見ますと、ピーク間のサイクルは感染が広く浸透した国や地域ほど長いように見えます。インド、パキスタン、NYなど。

ワクチン接種 第4波には効果限定的 筑波大グループがAIで試算

第4波には効果限定的 筑波大グループがAIで試算
東京都ではワクチン接種が無い場合、5月中旬に感染の第4波がピークとなり、1日の新規感染者数は1850人になるという結果となりました。
一方、高齢者にワクチンの優先接種を開始し、東京都で毎日人口の0.3%に当たるおよそ3万5000人に滞りなく接種した場合でも、5月のピーク時には新規感染者数は1日1650人で10.8%の減少にとどまるという計算になりました。
接種のペースを早め、毎日人口の1%に当たるおよそ11万5000人に接種した場合、ピーク時の新規感染者は1日1540人で16.8%減りましたが、流行自体を抑えることはできず効果は限定的との結果になりました。

もともとワクチンには感染防止効果はそれほどなく、重症化と発症を抑える効果ですが、AIも普通に周波数を見ているだけと思いますよ。ピークアウトである正月明けから3ヶ月ですので東京の例で言うと

ほらぴったりでしょ。

ただし第4波は夏だから大きくないかもしれない説と、いままで波を重ねる度にピークが高くなってきたので法則性だけで言うと最大の感染者数になってもおかしくないです。しかし死者数は

第1波 320人程度
第2波 80人程度
第3波 1200人程度

と、明確に寒い時は多く、暖かいときは少ない。寒くて空気が乾燥すると飛沫粒子が細かくなって肺に到達しやすいから肺炎を起こしやすいのは呼吸器科の常識だと聞きました。

異様に多い関西の重症者

いま、人口あたりの陽性者が増えているのは人口あたりで見ますと

こんな感じですが、3/30現在で宮城と沖縄と山形は重症者がそれぞれ10名、5名、0名なのに対し、

大阪 83名
兵庫 63名

と、この2県が突出しています!!!

東京は重症の数え方がめちゃくちゃで、昨年のNHKの記事を読むと国の基準だと東京都独自の2割増しくらい(8月19日時点の東京都の「重症者」は、「32人」(都の基準)と「41人」(国の基準))がいいとこだと思いますが、2月に国に重症ベッド使用率がおかしいと指摘されたら今度は信じられないほど盛った数字を出してきていますので省きます。

本当に312人も国基準の重症がいたら日本の重症の半数近くが東京になる。去年は国の基準より2割少ないだけだったのが、いまは1/5~1/6

そんなわけないだろ!!!

仮にコレが本当だとすると、東京は必要も無いのに重症の5倍もの軽症をICUに入れていることになる。

大阪と兵庫はどうして重症が多いのか

これは第2波から言われていて、何も調べない適当な専門家が

「大阪は同居率が高いので高齢者に若者がうつしている」
と、まことしやかにいっていました。

東京と比べて高い大阪の重症率、高齢者との同居率が原因か?

「令和元年国民生活基礎調査」によると3世代世帯の割合は、大阪府が2.5%(ワースト4位)に対し、東京都は1.8%(同1位)

0.7%の差でそんなわけないだろ、ヴォケ!!!

平成25年。宮城の3世代割合は11.3%!! 山形は20.4%だ!!!

専門家ってやつはデータもまともに見ないのか。大阪と東京だけではなく、他の県も見るのが普通だろう。ちなみに兵庫は4.7%だ!!

データ分析が出来ない専門家が対策を練るとか本当におかしすぎる。学問のスペシャリストが実務もできるとかあり得ないでしょ。実務と学問は別の領域です。

大阪と兵庫に重症が多い理由

わたしのブログを毎日読んでいる方はすぐに想像が付いたと思います。

院内・施設内感染のクラスターが多発

しているのです。特にI先生のお膝元の神戸とか凄い。




そりゃ、この規模で院内感染と施設内感染出していれば、重症者で埋まりますって!!

イヤミでもなんでもなく、クルーズ船の導線についてあれほど意見を言われていたI先生は、ロックダウンしろとか言う前に地元の病院が院内感染を起こさないように導線チェックをされたらいいのではないかと思います。それがプロでしょ。

大阪も多いが兵庫ほどではない。

が、第2波のとき、大阪だけどうして重症が多いのかの答えは


やはり高齢者施設のクラスターだと思います。

大阪もわかっていると思います。

高齢者施設のクラスター防げ  検査と入院 迅速に

いまの感染防止対策は飲食店への締め付けがメイン。しかし考えてほしい。そもそも「感染防止」ではなく「医療崩壊防止」だったことを。

このはずが、いつのまにか「感染させない」に話が変わっている。

いまのコロナ対策ははっきりいうと

指を切ったので止血のために頸動脈を抑えて失神させましょう

になっている。指から血が出ているならまず指の止血をする。施設内感染、院内感染が多発して重症者が出ているならまずはここを止める。

事態を経験した高齢者施設の代表者は「訪問介護も含む介護職員への迅速なPCR検査、感染した高齢者の迅速な入院」が、クラスター化の防止に不可欠だと訴える。

現場はわかっているではないか。
そもそも

これもわかってきている。

宮城県へのアドバイスにも書いたが、以下コピペ

1 高齢者施設とその職員に優先的にワクチン接種

をすべきです。ただしワクチン接種直後は逆に罹患しやすいという説もあるので蔓延してからでは遅い。とにかく早くする

2 高齢者施設入居者と職員に毎日検査

検査して陽性が発覚したらすぐに隔離する。これだけで最小限で防げるはず。コストはかかるが飲食店を痛めつけて失業者を溢れさせるよりずっと安く付く

3 自衛隊の防疫教育を施す

知事はもと陸自なんだから土下座して頼めばやってくれますよ。で、高齢者施設の導線などを見直して貰う。彼らも医療崩壊して狩り出されるより事前の予防の方が前向きなはずです。

4 補助金で防疫改築工事

もともと高齢者施設は防疫用の設計をされてません。導線を改善することで防疫能力があがるなら将来のこともあるのでぜひやるべし

5 施設職員に公的補助

という、全体を締め付ける非効率でコスパの低いことをするのではなく、高齢者施設や病院など、ハイリスクの人たちが集中する場所にリソースを集中させるべきだ。つまりインフルエンザと同じ対応です。

日経もわたしと同じ趣旨の記事を書いてくれました。日経だから首長はみんな読んでますよね。

コロナ禍、超過死亡なし11年ぶり減/感染を抑制 肺炎激減 高齢者施設、検査強化を

厚労省によると、国内で発生したクラスター(感染者集団)の発生件数で最も多いのは高齢者施設で全体の2割。昨年8月時点では医療機関が2割で最多だったが逆転した。無症状の職員などから感染が広がったとみられる。
海外の論文では「新型コロナ患者の半数は無症状の人から感染している」と推定。英国の研究では高齢者施設などの職員への定期検査で感染リスクを3分の1に減らせるというデータが昨年4月下旬に出ている。
「これまでの延長線上にはない対策が必要」。政府諮問委員会の尾身茂会長は18日、2度目の緊急事態宣言の全面解除を答申したうえで「高齢者施設の職員を対象にした定期的な検査」を挙げた。実施可能件数の少なさや検査の精度を理由に、濃厚接触者以外の無症状の人への検査に否定的だったがようやく見直した。
1年間のデータを生かし、死亡数とともに社会全体の影響も少なくする狙いを定めた対策への転換が求められる。

尾身先生・・・・・・。素人の私がずっといってたことをやっと・・・・・

通気が楽だけどポリウレタンじゃないマスクを探していま愛用中がこちらです。まあまあいいです。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年3月31日の記事より転載させていただきました。