何故、この段階での総務大臣不信任決議案提出になったのだろうか?

参議院の皆さんには、多分、今日の出来事は如何にも唐突だ、という印象が残っただろう。

武田総務相 NHKより

しかし、衆議院議員の皆さんにとっては、今日は、来るべき衆議院選挙や喫緊の衆参3補選に向けてそれぞれの人がスタートラインについた記念すべき瞬間だった、いうことになるのかも知れない。

否決されることが明白な不信任決議案を、何でこの段階で出すのかしら、これはただの茶番劇なんじゃないかな、などと内心不思議でならなかった。

しかし、諸般の情勢をよくよく考えると、この段階での衆議院本会議の開催が、与野党双方にとってベストだった、ということになりそうだ。

すべての衆議院議員に対して、衆議院選挙に向けてのスタートラインに集合するよう呼びかけるためには、すべての衆議院議員が出席を求められる衆議院の本会議を開催することが最も簡便だということは、国対関係者にはよくお分かりだったろう。

不信任決議案の提出は、本会議の開催を求めるため。

与野党共に、所属の衆議院議員全員を集合させ、それぞれに臨戦態勢を取らせるため。

今日の衆議院本会議は、与野党の国対が腹合わせしたうえでの、本格的選挙戦に臨むための出陣式みたいなものだったのかも知れないな、と思い始めている。

ひょっとしたら、今日、喫緊の選挙戦に向けて、与野党それぞれに、ヨーイ・ドンの号砲が鳴ったのかも知れない。

裏読みが過ぎるかな?


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年4月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。