今週のつぶやき:マーケット動向など

エープリールフール、私もおかしいと思ったんです。フォルクスワーゲンがアメリカでの販売力強化のため、新ブランド名を「ボルツワーゲン」とするというニュース。いくら電気自動車を強化しているとはいえ、名前がダサかったのでVW社のマーケティングも冴えないな、と思っていました。私は「あはは!」なのですが、一部のメディアは本気で怒っているようです。馬鹿にされた気持ちなのでしょうけれどそれは騙されたあなたが悪いです。そんなことでカリカリしていたら出世しませんよ。

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では今週のつぶやきをお送りします。

強いマーケットが戻ってきた!

このひと月半、マーケットをやや懐疑的な目で見ていた一つの理由はS&P、ダウ、ナスダック指数の動きがバラバラだった点であります。かつては株高の日は全部一緒に上げていました。ところが2月半ば以降、ダウが上げればナスダックが下げる、あるいはその逆といった具合で相関性がなくなっていたのです。その介在を果たしたのが10年物国債の利回りでした。この指数がこの一週間ぐらい落ち着いていることは株価にとってありがたい話です。

市場が休日の今日、発表された3月度アメリカの雇用統計は驚きの91.6万人プラス、1月と2月も上方修正され、失業率は6.0%に下落しています。後程、コロナの話でも述べますが、アメリカの経済回復力は極めて強いと感じています。日経平均は先週のこの項で「市場は落ち着く」と申し上げましたがその通りとなっています。週明けも堅調で3万円台は回復できるはずですが、チャート的に市場エネルギーが十分にあり、30500円を明白に抜いてこないと三角持ち合い形成になりますので判断のしどころとなります。

もう一つがこの10日ぐらい話題にならなくなったビットコインですが、ボラティリィが下がっておとなしい動きだからでしょう。ただ、高値圏にありますのできっかけがあれば新値をつけてくるとみています。ゴールドとビットコインのチャートにおいて逆相関の関係が明白にみられます。これが新時代の幕開けを暗示するものか、もう少し研究の余地がありそうです。

収まらないコロナ

私の住むカナダBC州。新聞には「サーキットブレーカーが機能」と表現されていますが、当局よりほぼ1日ぐらいの予告で飲食店での店内飲食禁止令が出ました。実は私はその予告を知らず、あるバーで飲んでいたところ、バーテンダーが「明日からまた3週間閉店よ。もうやっていけない!」と嘆いていたのでてっきり店内でコロナでも発生したのかと思っていました。同じようにカナダ最大の経済圏であるオンタリオ州も4週間のロックダウンに入りました。春で人出が明らかに増えていたところではしごを外された形です。

日本では非常事態宣言を解除した菅総理にその判断の是非の矛先が向いています。立民の枝野氏に至っては「秋の衆議院選まで暫定的な『枝野内閣』を発足し、少数与党で危機を脱する」とぶち上げています。これ、エープリールフールじゃないです。日本で感染が止められないのは中途半端な対策とワクチン接種が進まないこと、この2点でしょう。また誰からワクチンを打つのかですが、BC州では今までのワクチン高齢者最優先計画が見直され、最も活動している年層にもっと力点を入れるよう検討すると述べています。これは重要な変化で注目に値します。

アメリカは7月4日の正常化に本気で取り組んでいます。もしも成功したならばバイデン氏は極めて高い評価を得るでしょう。上述の雇用統計の大幅改善は明らかに経済が回復基調にあることを裏付け、企業が雇用回復に急いでいるのが見て取れます。ワクチン接種が一足早く進んだイスラエルは免疫の壁ができたのでしょうか、明白に鎮静化となっています。日本もカナダもワクチン接種が遅れています。ここが差が出た理由なのでしょうか?

文春VS五輪組織委員会

文春の3月31日号のMIKIKO氏の裏話と4月8日号の開会式の著名人口利きリストの2本の記事につき五輪組織委員会が当該号の販売停止、ネット削除、内部資料の破棄と非公開化を文書で要求、それに対して文春は加藤晃彦編集長名でその要求を拒否することを公開記事で対抗してきました。泣く子も黙る文春に組織委員会が挑むこの戦いで橋本聖子会長は金メダルを取れるのでしょうか?

組織委員会の言い分がいかにも情けないです。「機密性が損なわれ、演出価値が下がる」というものです。ならば絶対の機密性を保ちなさい、ということです。企業がM&Aや新製品開発をするときにばれたら終わるというのは当たり前で細心の注意を払うのは小学生でもわかること。そもそもそういう組織作りになっていなかったのですから情報がじゃじゃ漏れなのに「リークする穴から覗き込んで記事にしたお前が悪い」というのは理屈として成り立たないでしょう。

最近、メディアの流れは木曜日発売の文春、日曜日の生放送、サンデージャポンから拾い上げる2次、3次ネタが増えています。結局、売れないから取材費が出ないという悪循環に陥っているのだと思います。私なんてお金を貰っていないから好き放題書いていますが、「自由に書ける自由度」を謳歌しているとも言えます。これだけ毎日いろいろニュースを見ていてもネタ元を一つ読めばそれで全部わかってしまうという単純社会でもあるということです。日本はやっぱり平和なのだと思います。

後記

アジア系へのヘイトクライムが北米で止まりません。NYの事件は衝撃でした。当地ではラジオからアジア人へのヘイトクライムをストップさせようとCMが流れます。一方、米中問題やコロナもあって一部の白人に相当のうっ憤がたまっていることも事実。連中はそんなコマーシャル聞きませんし、社会の動きも知りません。あとは周りがそれを止められるか、そこにかかっています。ただ、体のでかい白人を取り押さえるのは容易ではないし、警察もそれは危ないからNOと言います。どうしたらよいのでしょうか?非常に難しい問題です。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年4月3日の記事より転載させていただきました。