内閣人事局を廃止して、官僚機構を立て直せ

未だに、「・・・すると、日本は大変になる」という文章を見ることがありますが、金融村から話をさせて頂きますと、残念ながら、日本国内は既に終わっています。

istock-tonko/iStock

これは、日本企業が終わっているという話ではなく、日本の資本主義以外の部分が終わっているという話です。

資本主義の原理で動いている日本企業、特にグローバル企業については、ここ20年間、日本が中国に近いことも幸いして、中国の経済成長の恩恵を一杯受けることが出来て、さらにここに来て、アセアン(タイ、インドネシア、ベトナム)の急成長が鮮明になってきて、当分中国とアセアン市場だけ見ていれば未来は希望に満ちた状態にいます。

日経平均が3万円を超えたことから明らかなように、日本のグローバル企業の経営は晴れわたっているのですが、日本国内に目を向けると、サラリーマンの賃金は上がらないばかりか、社会保険料や増税で可処分所得は下がる一方なうえに、国全体で見ても、一人当たり所得も下がる一方の、土砂降り状態です。

そんな状態の中、「・・・すると、日本は大変になる」という、現状から目をそらそうとしている文章に出くわすと、もう、「かわいそうに」という感情しか生じなくなってしまっているのです。

閑話休題。知民は一応自民党員で、知人に頼まれて入っているのですが、党員は自民党党首選の地方票に一票入れられますので、一般選挙権より圧倒的に影響が大きく、会費分以上の満足感が得られています。
ちなみに、自民党員数は113万人で、国政選挙の有権者数は1億6百万人なので、党首選での党員一票の重みは、国政選挙の90倍程度あります。

最新の自民党機関誌が届きましたが、昨年の『党勢拡大特別表彰』の栄えある第1位は二階氏が獲得されたと報じられていました。

民主主義の世界で「リーダー」になるためには、こういう二階氏のような政治力が必要ですが、古今東西のリーダー論の多くは、強い国家には、必ず、リーダーに諫言する頭脳明晰で優秀な「参謀」が必要であると説いています。

日本の場合、昔から、政治力の必要な政治家は「リーダー」であり、東大を始めとした有力大学出の優秀な人材が占める官僚が、政治家たる「リーダー」に対し、諫言する「参謀」の役割を演じてきました。

しかし、先の安倍政権の時代に、官僚を支配下に置きたい政権は「内閣人事局」を設置し、官僚の人事権を掌握したことによって、一国の中から諫言する「参謀」が消え去ってしまう結果を招いてしまいました。

もう、世界との戦いでコテンパンに打ちのめされてしまった日本を少しでも立て直すには、まず、政治家の皆さんには、選挙で選ばれていないが優秀な頭脳を持つ「官僚」の独立の必要性を認めて頂き、勇気をもって「内閣人事局」を廃止し、官僚の人事権は官僚に返還し、「リーダー」集団と、「参謀」集団両輪で世界と戦っていくことが必要です。

政治家の皆さんは政治力という一般人が持てない力を持っていますが、国家の最高頭脳である「官僚」の皆さんの力を生かすためには、お互い独立して、牽制しあう関係が最も望ましい姿であるあることを認識して、是非、一歩前に進んで頂きたい。


編集部より:この記事は投稿募集のテーマで寄せられた記事です。アゴラでは、国家公務員・地方公務員・外郭団体、職種・職階、正規・非正規問わずさまざまな立場の皆さまからのご意見を募集します。原稿は、アゴラ編集部([email protected]にお送りください。