イギリス変異株ってどうなのを素人がデータだけで語る

本日はデータの見方とか、そこから導き出す仮説の立て方について学びましょう。

専門家なら受容体がどうのこうのとかワクチンが効くとか効かないの話をしますが、わたしは素人なので統計とデータの点だけで語りますよ。

metamorworks/iStock

いまのイギリスの状況

まず、肝心のイギリスですが、感染は収まり、死者も激減しています。

ワクチン推しの医クラのみなさんは、イスラエルとイギリスの事例をワクチン効果だと絶賛されます。しかし前にも書きましたがそもそもイスラエルは周囲の国家がみんな収束基調なのに一国だけ拡大していて、やっと収束してきた。だから波なのか、それともワクチン効果なのかイマイチわかりません。

東大の五十嵐准教授が解説してくれてます。

イスラエル保険者(Clalit)データ・118万人のワクチン効果

まずイスラエルもワクチン接種が終わっているのは高齢者などのハイリスク群がメインです。つまりワクチン接種者と非接種者では非接種者は若者がメインです。日本でもそうだが若者は動き回るから感染しやすい。なので、ワクチンを接種した人たちとしてない人たちの単純比較ではだめなのです。当然、してない若いグループのほうが感染して当たり前。これを補正して計算しています。

感染予防効果については、2回接種してから14-20日で29%、2回接種7日目以降で90%となりました。ただこれはワクチン自体に感染予防効果があるのか、それとも所属すグループで発症する人が減るので結果としてウイルスが拡散されないので感染が減ったとも考えられます。

ただ、イスラエルを抜くワクチン接種率のチリやモルジブでは感染が拡大しています。

接種世界一なのに感染拡大のチリ ワクチンが遠因?

中国製のワクチンは感染防止に役立たずってことですかね。w

中国製のワクチンの有効率はブラジルでは50%くらいらしいですからね。w そしてチリは2回接種が少ない。

話が少しそれましたが、変異株の発症の源イギリスは、すでに収束しています。つまり変異株だから永遠に指数関数的に増加するなんてことはなく、きちんと収束するってことです。

関西の感染拡大はイギリス株なのか

大阪府は情報公開をしているのでまずはここから。

4/6報

変異種のゲノム検査をどれだけして30が分かったのかが書いてない・・・・

別の資料がありました。


コレを見ますと変異株の比率はどんどん高くなっています。

3月末で66.5%ですので、現在はもうほとんどがイギリス変異株ではないでしょうか。

東京都は変異株のスクーニング調査の件数をいつも発表せず、見つかった件数だけをいいますので役に立ちません。小池は絶対に分析してないと思います。絶対数は意味ない。
やっと見つけました。


3/29~4/3では、検査数460です。このうち69が変異株ですので15%。大阪と比べてだいぶん低いです。

ここまでで大阪の感染拡大はどうもイギリス変異株らしいということがわかりました。
年間を通してのグラフが大阪府には無く、今年からなのですが・・・


いままでで一番角度が急なのが分かりますね。

イギリスの変異株の致死率はどうだろう

大阪は変異株の死者数を公開してます。上の表です。
927人中5人ですので0.5%です。

これはというと

東京都の致死率と同じ。少なくとも高いとは言えません。ちなみに大阪の致死率はと言うと、東京と揃えて11/1~12/8にすると133/7231で1.8%。全国平均よりもかなり高く、高齢者施設の施設内感染が炸裂したからだと思います。

変異株の0.5%にはタイムラグがあるのでこれから死者は増えるでしょうが、それにしても変異株が致死率が高いとはいえなそうです。

重症率についてはデータがありました。

「変異種は若い人も重症化する」というのはどうもデマっぽいです。

289人中で重症化したのは16名でそれほど高いわけでもない。但し書きにあるように母数が少ないのでこれだけではなんとも言えませんが、子供の無症状率は高く、やはり70代以上がキツいことは同じです。

母数が少ないので断言はできないですが、感染力は強いが致死率は少し下がったように感じます。ただこれは高齢者施設で施設内感染が起きたら吹っ飛びます。致死率は同じ人で比較できないので、高齢者施設に飛び火したら一気に上がるでしょう。

そのためにも日本はワクチンの優先度を完全にミスったと思います。これは分科会と厚労省の責任ですね。

【スクープ!!】先進国で日本だけが高齢者より医療従事者のワクチン接種を優先した。ごり押ししたのは新型コロナウイルス感染症政策分科会

変異株が重症率高いというのが疑問という根拠だが、大阪府の資料に

と、書かれているのですが、そもそも変異株にほとんど置き換わっているのに、母数が少ない変異株として分かった患者だけで見ている。全陽性者における重症者の割合は、第3波より下がっているではないか・・

感染はこれからどうなるか

イギリスの例を見てみます。


ひと言で言ってイギリスの第3波は

急激に拡大して急激に収束しました

岩田先生には案の定、素人の馬鹿な考えと言われたようですが

外れまくりの西浦先生のシミュレーションをバッチリ当たるようにする秘策

これがわたしの仮説です。


このようにアジアでは感染のしきい値が高い人が多いので感染は爆発的に増えにくい。
が、大阪の例を見ますと


第4波はかなり急な角度で上がっています。これはしきい値が多少高くても感染するようになったと考えられます。大阪はとにかく学校や職場などでクラスターがででいます。

しかし、逆に言うと、西浦先生のように永遠に増えていくということはなく、

急激に拡大して急激に収束するのではないか

という説を採ります。当初、東京のピークは6~7月ではないかと考えていました。
イギリスは感染拡大から3ヶ月でピークアウトして一気に減少。となると3月から増加に転じた大阪は5月末あたりにはピークアウトかなと想像するわけです。これは仮説なんで予言ではありません。
ドンと燃えてドンと消える。

それにしても高齢者施設より眼科や皮膚科の事務の人まで医療従事者だからとワクチン接種を優先した厚労省と分科会は、これで医療崩壊したらきちんと引責してほしいものです。冬と比べて重症化はしづらいとは思いますが、とにかく高齢者施設を封じこめないと話になりません。

大阪の資料の最後に付け加えみたいに


コレ見る限り高齢者施設にはなにもしていない。厚労省に言われたので施設の検査を続けますって・・・しかもクラスターを未然に防げたって書いてるのに!!!

吉村さんは医療のブレーンのデータ解析力が悪すぎると思うんですが、どうでしょうか。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年4月8日の記事より転載させていただきました。