小室圭さんの身内の金銭トラブルに関して字がぎっしり詰まった24ページに渡る「弁明書」が公開されました。思ったのは小室さんに必要なのは知恵袋ではないかという点。小説ではないのですからたかが弁明書でそんなに書いてもそれは小室家側の一方的な話でしかありません。またどのメディアも簡潔にまとめようとしているのですがピンときません。なぜなら中身がないから。何を言いたいのかわからない、まさに弁護士が書く眠気を呼ぶ駄文なのです。小室さん、世渡り、下手すぎです。村上春樹小説の主人公の「僕」みたいな立ち位置はもう古いと思いますよ。
では今日のつぶやきをお届けします。
株式市場は決算発表まで休憩
先週、この項で日経平均が30500円を明白に抜けない限り三角持ち合いになると申し上げました。抜けられませんでしたのでチャート的には見事な持ち合い形成となっています。29700円から30000円のあたりで1週間ぐらい膠着する可能性もあります。アメリカもダウ、ナスダックともに動きはまずまずですので第一四半期決算の材料待ちでしょうか?ただ、全般的は北米の経済指標は極めて良好、本日カナダで発表になった3月度雇用統計もこの国の規模にしては驚異的な30万人増で失業率は0.7%ポイントも改善し7.5%となっています。
ところで東芝のTOBの件ですが、安全保障関連のコア事業者なので簡単には外国人の手に渡らないのではないか、とされていますが、そんなことは買収をたくらむCVC側は百も承知で予想通り日本の投資家を絡ませる方向になっています。雰囲気的には東芝社内でも非上場化を良しとする雰囲気があるようで取締役会でも承認される可能性はかなり高いと思います。そもそも東芝の取締役会12名のうち東芝出身者は綱川会長と車谷社長の二人だけでコーポレートガバナンスは最も進んだ会社の一つです。
そういえば日立金属もファンドのペインが買収する方向のようです。最近の買収はファンドが主体となっています。古いですがスカイマークもファンドによる買収でした。不動産がファンドによる買収が主流となっているように今後、この動きは加速するとみています。とすれば企業活動はこの効率性とコア事業の稼ぎ具合が非常にドライに判断されやすくなります。私も北米で30社以上の投資先を持っていますが、経営スタイルは日本のそれとはかなりかけ離れてきています。これを進化というのかどうかはわかりませんが。
なぜうまくいかない日本のコロナ対策
86歳になる私の母親と電話で話したところ「ワクチンの案内は6月頃と聞いている」と。6月に案内なら実際に摂取するのは7月かも。なんでそんなに遅いのでしょうか?そして「まん延防止等重点措置」地域が東京都など更に増え、そのうち埼玉、千葉、神奈川も加わることになるでしょう。都知事の9日の会見は「延期、控えて、『なし』でお願い」を連呼。子供じゃないんだからダメダメばかりではなく何ならよいのか、代替案を出してほしいところです。
うまくいかない理由の一つがワクチンの普及スピードであろうとは思います。面白いのはワクチンの普及が進んだ国でも効果抜群国とさほどでもない国が分かれます。絶好調が英国とイスラエル、今一つなのがアラブ首長国連邦、駄目なのがチリ。アメリカは猛烈なワクチン接種スピードで既に国民の延べ半数は接種しているカウントになっています。一方日本は1%に遠く満たないのです。
ワクチンを早期に入手した国は当初から様々な呼び込みメリットを製薬会社にアピールしました。日本はワクチンアレルギーの厚労省が全てにおいておっかなびっくりで「リスクを取ってワクチンを導入する」という意気込みは微塵もありませんでした。北米で聞かれる言葉は「ワクチンはプラスの効果」。つまりマイナスも無きにしも非ずだけど全体では絶対に推進すべきだと。だけど日本は100点満点が取れないと気が済まない国です。これが結局、小池、吉村氏の選挙でもないのに連呼を聞かされる理由です。国民はといえば「これ以上、どうしろっていうのよ」。わかります、その気持ち。
何故響かないSDG’s
今週、SDG’sのセミナーに参加したのですが、私の頭の中で話が大変すべってしまったのです。こういうと申し訳ないのですが、SDG’sをそれなりに理解していますし、重要なのはわかっているのですが、なんで講師の話が自分に落ちてこないのか数日考えてみました。結論は17の目標が漠としていることと数が多すぎるのです。これではどこから手をつけてよいかわからない、だからコンセプトはよいのだけど焦点も絞れず、具体化に欠けていて実行に移せないのです。
例えば私がかつてカフェを経営していた時、チェーンコーヒー店より早くフェアトレードのコーヒー豆を導入し大々的に宣伝しました。2008年頃だと思います。私の知り合いが経営するレストランでは提供する魚は漁獲し過ぎず、種の保存が維持できることを確認したものだけといった取り組みを2010年頃にはやっていました。ジェンダー平等は私がカナダに30年前に来た時から同性カップルやジェンダー問題ではサンフランシスコと共にバンクーバーが世界最先端だったのです。つまりどれも当たり前で、SDG’sは今更感が半端ではなく、17ものほとんど連関性のない形で並んでいるリストがややもすれば政治的にすら映ってしまうのです。
また一つひとつのテーマが大きすぎます。その中には気候変動もありカーボンニュートラルは対策の一つという位置づけです。かと思えば「安全な水とトレイを世界に」といった比較的テーマが絞られているものから「パートナーシップで目標を達成しよう」という抽象的なものまでさまざまです。今、人々はルールに疲れています。怯えているといってもよいでしょう。どんどんルールや規範を作り、人々の行動に制約や目標を生み出しています。これはやり過ぎると必ず落ちこぼれる人がゴッソリ出てくるのです。個人的にはSDG’sのアプローチはもっとシンプルにすべきと思います。
後記
腰の具合が悪いので病院に行くと受付で「ではドクターから何日の何時に問診の電話をする」という電話アポ。その時間に電話で話をすると「ではお会いして直接見ます」と。それを踏まえ、レントゲンも撮り、その検査結果は再び電話アポを通じて聞きました。更なる検査のために検査要請書がセキュリティがしっかりしたEmailで送られてきました。ただ検査機関に行くと既に私の電子ファイルがドクターから伝送されていて必要な検査項目は把握されていました。日本じゃ絶対にできない仕組みです。これを私は褒めもしないけれど医療費無料の国の最大効率化です。日本の遅れは隔世の感があります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年4月10日の記事より転載させていただきました。