小室氏は400万円だけが問題なのではない

イギリスで、エリザベス女王の夫であるエジンバラ公フィリップ殿下が亡くなった。結婚した当時はHisRoyalHighnessPrincePhilipofGreeceandDenmarkだったが、この称号を放棄させられ、LieutenantPhilipMountbattenとなり、ビクトリア女王の夫であるアルバート公のように妻が女王になったら、PrinceConsort.となると見られていたが、ドイツとの繋がりを嫌ったチャーチルのために阻止されHisRoyalHighnessTheDukeofEdinburghとされ、1957年にHisRoyalHighnessThePrincePhilip,DukeofEdinburghに昇格したが、ついにPrinceConsort.となることはなかった。

眞子さまと小室さんの婚約会見 平成29年9月 NHKより

日本で理解している人は少ないが、これについては、あらためて書く機会があろうが、とりあえずは、明日発行のメルマガに載せておく。

皇室問題を論じるときは、日本の皇室制度にも制度設計のうえで大きな影響を与え、また、制度を論じる上で、常に国際的な受け取られ方にも配慮しなければならないので、外国のロイヤル・ファミリーの問題についての知識が不可欠だ。

これまでもいろいろ書いてきたが、すこしマニアックに歴史をたどるために、昨年は「本人のための英仏独三国志―世界史の「複雑怪奇なり」が氷解!

を書き、その姉妹編として「日本人のための日中韓興亡史

を書いて今日発売だ。お読みいただいたらいろんな謎が氷解すると思う。

ところで、小室圭氏の弁解文書はさんざんな評判だが、立派な文章だとか、認めてあげないと世界での評判を落とすとかいう奇特な人たちがいる。分類すると、以下のようになる。

  1. 確信犯的に、皇室を嫌い、それを廃止にもっていくためにそういっている人
  2. 皇室は立派な判断をするだろうから国民がなにも口出しするなという人
  3. 小室問題の深刻さを理解せずに仕方ないのではという人

私は、昨日も書いたが、最終的には本人たちの問題だが、その場合には、これまでの結婚とは今後の扱いを変えるべきだとしている。小室母子のようなところとの縁組みは想定して制度はできてないのである。また、皇室がモラルについて甘いと言われないためには渋々である必要もある。

将来にわたって品位をたもっていただくために最高1億数千万円にも設定されている一時金を、これまでの生活態度からすれば、短期間に浪費する可能性が高い人物との結婚に提供することは疑問であろう。使ってしまったら勝手と言っても、放っておけないことになり追加投入が必要になるに決まっている。

そもそも、400万円の借金そのものより、母親だけでなく本人も含めて、分不相応の贅沢な支出を繰り返し、足らなくなると、いろんな人に甘言を持ちかけたり、泣き言をいったり、関係者の証言によればブラックな経歴の人を間に立てて贅沢を続ける資金を調達し、奨学金を得るためには皇室を利用することも厭わないことをしてきたというのが心配なのである。

違うというなら、説明するといいと思う。たとえば、奨学金については、どういう文書をフォーダムに出したか公開すれば良いことである。

また、父親と祖父母の連続自殺にしても、そんなに起きる事件ではない。事情はきちんと本人や母親に聞き、調査するべきでないのか。

数々の証言に寄れば、自分たちの望むところを実現するためには、相手を追い込むような交渉術をしているようだし、今回の件でも陛下への面会を要求したとかいわれている。

眞子様がどうなろうとそれは自分の責任だが、秋篠宮殿下・妃殿下、悠仁殿下、両陛下なども巻き込むようなことになっては困るのである。秋篠宮殿下のやつれようを見ると、杞憂とは云えまい。

アゴラにも中村仁さんが認めろと書いておられたが、1億数千万円を渡し、皇室にこれまでの内親王の配偶者やその親と同様に出入りさせる、皇室を利用したビジネスもとくに規制しないでいいとお考えなのだろうか?

これまでは規制しなかったのは、誰もしなかったからである。また、女性女系の皇位継承が認められる場合に、眞子様やその子が天皇になる可能性はかなり大きいのだが、それも構わないのだろうか。

メーガンの件は人種問題が入るのでややこしいが、スペインでは現国王の姉たちと配偶者が王政をゆるがすスキャンダルを連続して起こしていることなども十分に踏まえてご発言になっているのだろうか。

それから、中村仁さんの書いたものをみていると、悠仁様と愛子様と佳子様の子孫を女系も含めて皇位継承を認めれば旧宮家なんぞ相手にするなとばっさり斬られているのだが、兄弟姉妹と従姉妹という似た遺伝子をもった三人の子孫が、たとえば百年後には誰もいない可能性はかなり大きい。

イギリスは数千人の王位継承権者がいるのに、三人の子孫以外は排除するという危険な意見は、これは天皇制廃止のための陰謀以外のなんでもない。