原発処理水放出についての前回の投稿は、ここ数年で最も反響がありました。
難しい問題こそ、客観でフェアに論点整理ができればと思っています。引続き宜しくお願いします。
今日は、小林りんさんにお誘い頂いたパネルトークの内容を紹介します。
りんさんは軽井沢でインターナショナルスクールISAKを創設した長年の知人で、最近はHatch Eduという、新しい教育事業を立ち上げたい方や、支援したい方のためのプログラムを提供しています。
プログラムの説明イベントとして、今回のパネルトークが実施されました。
復興事業や子ども宅食事業に関わる中で、被災地復興や子どもの貧困という問題における教育の重要さを感じてきました。私からは、次のようなことを話しました。
- 生活が厳しい子育て世帯においては、食べるものや着るもの以上に、教育にお金をかけられていない
- 社会階層化が進む中で、社会課題はますます見えなくなっている。教育課題を解く上でも「アウトリーチ」が重要
- 教育課題にあたる上で行政との連携は必須。行政が出す仕様のまま事業を行うのではなく、行政の仕様を書き換えていくような姿勢が必要
- 復興のように長く地域を再生する取組においてこそ、教育が重要
ご一緒した、李炯植さんや野口晃菜さんの話も素晴らしいですので、ぜひlogmiをお読み下さい。
以下、抜粋です。
『子ども宅食は厳しいご家庭を支援しているんですが、そのうちの7割はシングルのご家庭です。その中で何が通常の家庭と比べて違うのか、欠けているのか?という調査もさせていただいているんですが、1番目に来るのが教育です』
『見えない社会階層化が進んでいますので「どうしたら本当に支援するべき相手に当たっていくのか?」ということを考えて欲しい。私は災害復興をやっているので、うちのスタッフはまず仮設住宅に住むんですよ。そういう中で、近隣の方と接して見えてくるものがある。頭で考えているだけだと本当に困った方に絶対に突き当たらないので、アウトリーチを考えていただきたい』
『ぜひ“行政と適切に付き合うやり方”を持って欲しい。今は「行政が仕様書に沿って決められたことをとにかくやる」みたいなことが非常に発生していて。物分かりがいいんだけれども、価格は安いが必ずしも質が高くない事業者も増えています。行政が出す仕様が優れているわけじゃないので、ちゃんと付き合いながら、行政の言うままにやるんではなくて、こちらがむしろ仕様を作っていくぐらいの気持ちで。行政と一緒にやらないといけない局面ってどうしても多いんですけれども、相手をハックするくらいの気持ちで行政と一緒にやっていくようなスタンスの事業を組み立てて欲しいなと思います』
『災害復興って、20年、30年かかるんですよね。阪神大震災は、今でも復興の事業をやっていますし、東日本はおそらく30年以上かかると思います。そういう時に、やっぱり教育なんですよね。地域を長い意味で魅力的な町にしていくためには、教育は絶対欠かせない』