確定申告を終えたフリーランスのあなたへ

確定申告を終えたフリーランスのあなたへ 仕事の通信簿を分析する

そういえば、確定申告の締め切りだったようで。もちろん、認識しているのだが、先月の3月15日、つまり2019年までの期日に終了しており。そのときも書いたが、減収減益。しょうがない、のか。働くことよりもまず、「よく生きること」を優先した1年だった。

フリーランスにとって、確定申告とは、通信簿のようなもので。何をしてどれくらい稼いだのか。これまでに比べて、どんな仕事が増え、減ったのか。経費をどう使ったのか。変化はあるはずで。なんせ、コロナの影響が大きいが、この変化に敏感であることが大事で。自ら創り出した変化もあれば、巻き込まれることもあるけれど。

私個人としては、書く仕事が徐々に減り。講演やメディア出演が増えているのだが、それもコロナで飛んだという。講演はおかげさまで謝礼の金額は上がっている。一方で、メディア出演は単価が下がり。予算引き締めを肌で感じたり。

ここで。リクルートの新人の頃、教育担当だった方にご指導頂いた「ご飯の仕事とおかずの仕事」という考え方について。

ご飯の仕事:食べていくために、必要な仕事。会社員、特に営業職においては、会社から期待されている仕事、やらなければならない仕事、目標達成のために数字を稼ぐために必要な仕事。

おかずの仕事:今すぐ数字にはならないかもしれないが、自分がやりたい仕事、やっていて楽しい仕事。

あとで学んだが。ライスワーク、ライフワーク、ライクワークという分け方もできる。

このバランスは大事で。ご飯の仕事だけだと、金の亡者になってしまう。いくら目標達成しても、社内外で尊敬されない。リクルートをやめたあと、人事クラスタの間では、同社で表彰され社内報で何度も紹介されるようなトップ営業を酷評する声を様々な場で聞き。貴重な体験だった。会社で評価が高い人が社会で評価が高いわけではなく。いや、社内でもガツガツと稼いでいるだけの人は尊敬されず。ご飯の仕事ばかりをしていた人の問題。

一方、おかずの仕事だけでは稼ぐことができず。これまたビジネスパーソンとしてどうよという話になり。いかにも、異業種交流やSNSでの発信など社外での活動に熱心だが仕事をしない意識高い系みたいになってしまう。もっとも、このおかずの仕事は自分にとっても、会社にとっても将来のことにつながるわけで。

2020年の私は。うーん、ご飯もおかずも足りなかったな。とくに、ご飯の仕事が。そして、私に期待されていること、私でしかできないことに注力できなかったことを猛反省。専門分野を深め、関連した発信をすることが弱かった。

あなたにとってのご飯の仕事、おかずの仕事は何?
ライスワーク、ライフワーク、ライクワークは?

確定申告をおえたフリーランスは特に、考えよう。うん。


編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2021年4月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。