野党共闘派が勝利したのではなく自民党が敗北しただけ

野党共闘から野党競闘への道を探る

一応野党共闘路線が成功したような印象ではあるが、野党共闘の流れの中で国民民主党がすっかり埋没してしまった観があるので、国民民主党の支持者の方々は注意された方がいいだろう。

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今回の2補選・1再選挙で如何にも野党共闘派が勝利したかのような報道ぶりだが、これは自民党が敗北しただけだ、と指摘する立憲民主党の逢坂氏が正しそうだ。

今回の選挙を通じて野党共闘を組んだ各政党の支持がどの程度増えたか、という観点で選挙結果を見てみると、野党各党の獲得得票数は従前と比較してそう増えていないようである。

投票率が低かった、という事実に端的に現れている。

候補者の一本化に成功すれば、野党の候補者の間での得票の分散は防ぐことが出来るが、野党の得票の押し上げまでは出来ない、ということだろう。

いよいよ衆議院総選挙の本番を迎える。

衆議院総選挙が終れば、来年の参議院選挙である。

国民民主党は、やはり自立された方がいい。

自民党には投票したくないが、共産党や立憲民主党にも投票したくないという方々の受け皿がない、というのが中間層、無党派層の心の叫びだろうと思う。

どこにも受け皿がなければ、結局は白紙投票か棄権か、ということになるだろう。

目下の支持率は1パーセント程度かも知れないが、伸びしろは沢山ある。

野党共闘から、そろそろ野党競闘に切り替える時かも知れない。

国民民主党に日が当たるのは、やはり国民投票法改正法案の採決辺りからかしら

緊急事態宣言の再発出でどうも国会までお休みになりそうな空気が漂っているが、国会議員の皆さんはやるべきことはしっかりやっていただきたい。

この通常国会で国民投票法改正法案の採決くらいはやってもらわなければ困る。

自民党の中には憲法改正案の議論まで踏み込みたい方もおられるとは思うが、国民の間での議論が徹底的に不足している現状では、そこまでは求めない方がいいだろう。

まずは、今出来ることから始めることである。

さすがの立憲民主党も国民投票法改正法案の採決にまで反対することは出来ないはずだが、さてどうなるか。

立憲民主党がいわゆる抵抗政党の色を強く出せば出すほど国民民主党に日が当たるようになると思うのだが・・・。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年4月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。