Rock&Popsのリマインダー/1965年

1965年、前年のビートルズの米国上陸に続けとばかり、米国のR&Bとロカビリーを取り込んで誕生した新しいビートを擁する英国勢が本格的に米国を侵略しました。いわゆる【ブリティッシュ・インヴェイジョン British Invasion】です。

その英国勢の侵略に対して、正真正銘のブラック・ミュージックと新しい息吹で迎え撃った米国勢の素晴らしいバトルが見られた年であったと思います。

[1965年 100位~21位の厳選プレイリスト]

■98 The Boy from New York City / The Ad Libs
マンハッタン・トランスファーもカヴァーした最高のドゥワップです。イントロのウォーキング・ベースのヴォーカリーズがたまりません!

■88 The Last Time / The Rolling Stones
米国を侵略した英国のローリング・ストーンズもビートルズのようにエド・サリヴァン・ショーに出演しました。ふと思ったことに、ミック・ジャガーの人相はめちゃくちゃ悪いですけど、エド・サリヴァンには負けますね(笑)

■86 We Gotta Get out of This Place / The Animals
これも米国を侵略した英国のアニマルズです。エリック・バードンのヴォーカルが完全にロックしてます

■74 Tell Her No / The Zombies
同じく米国を侵略した英国のゾンビーズです。彼らの全米での最大ヒット曲です。

■69 Heart Full of Soul / The Yardbirds
同じく米国を侵略した英国のヤードバーズです。リ-ド・ギターがエリック・クラプトンからジェフ・ベックに代わった第1作です。ファズ・ボックスが使われているこの曲には、当初インドのシタールが画期的に導入される予定でしたが、残念ながらポシャりました。ロックへのシタールの導入はビートルズのジョージによる “Norwegian Wood” まで待つことになります。

■64 It’s Not Unusual / Tom Jones
世界のエンターテイナーのこの人も英国人です。客のハンカチで汗を拭いて戻すファン・サーヴィスのスタイルは、ブリティッシュ・インヴェイジョンというよりは、VIVA ラスヴェガスです(笑)

■62 All Day and All of the Night / The Kinks
米国を侵略した英国のキンクスです。これは米国にはなかったクールな音楽です。

■60 Tired of Waiting for You / The Kinks
同じくキンクスです。この曲も時代を先取りしていたと思います。

■58 I’ll Be Doggone / Marvin Gaye
最高のR&Bヴォーカリスト、マーヴィン・ゲイの最初のミリオン・セラー・シングルです。嘆きの躍動をストレイトに感じさせてくれるパワフルなソウルのヴォーカルです。

■55 Eight Days a Week / The Beatles
米国侵略の最強の部隊はやはり飛びぬけた音楽性を持っています。伝説のNYC・シェイ・スタジアムのコンサートはこの年の8月15日でした。

■54 Catch Us If You Can / The Dave Clark Five
前年に引き続き、米国を侵略した英国のデイヴ・クラーク・ファイヴです。但し、前年の勢いは影を潜めました。ビートルズのサウンドと類似して、それを超えられなかったことが要因と考えられます。

■51 Goldfinger / Shirley Bassey
この曲も一応、英国の米国侵略といえます。007のテーマソングの中でも高い評価を受けている迫力満点の傑作です。

■50 Go Now / The Moody Blues
米国を侵略した英国のムーディー・ブルースです。この作品は、プログレッシブ・ロックの先駆けのグループの先駆け的作品です。つまりプログレのプログレのプログレです(笑)

■49 California Girls / The Beach Boys
本当に夢のような作品です。ビーチ・ボイズはこの曲を作っただけで最高のアーティストだと思います。

■41 Like a Rolling Stone / Bob Dylan
ボブ・ディランの究極の名曲ですが、セールスがこの位置であったことは、かなり意外であり、かなり納得もします。いずれにしても、この曲が「一応」ヒットしたことで、エレキ・ギターを中心とするロックのフォーマットでフォーク・ソングを演奏するフォーク・ロックが全米に認定されました。半分歌って半分話すディランのヘタクソな歌唱法は破壊的でもありました。恋の歌だけを歌っていたビートルズはボブ・ディランの作風に感化され、ロックが更なる新しい時代を迎えることになります。

■33 Papa’s Got a Brand New Bag / James Brown
ここでファンクの塊、ジェイムス・ブラウンの登場です!さすがに英国勢も彼の正真正銘のブラック・ミュージックには降参するでしょう(笑)

■31 Ticket to Ride / The Beatles
美しいジョージのキラキラしたギターリフと間(ま)と展開を大切にするリンゴの変化に富んだドラムスが最高に機能している中で、ジョンとポールのキャッチ―なコーラスが進行するというビートルズでなければ作れない素晴らしいポップ・ミュージックです!

■30 Hang On Sloopy / The McCoys
このたまらなくアーシーなグルーヴ感は米国のグループにしか表現できない芸当と言えます。米国の面目躍如の作品です。この曲はオハイオ州の公式ロック・ソングになっています。

■25 Mr. Tambourine Man / The Byrds
ボブ・ディランの作曲、バーズのデビュー曲です。既に米国勢がフォーク・ロックを始めているのがわかります。

■21 Unchained Melody / The Righteous Brothers
リヴァイヴァルでもヒットした感動のブルーアイド・ソウルの名曲です。ライチャス・ブラザースは米国音楽の宝だと思います。

[1965年 20位~1位のプレイリスト]

■20 Stop! In the Name of Love / The Supremes
ダイアナ・ロスを中心とする史上最強のガールズ・グループ、スプリームスの代表作の一つです。

■19 Mrs. Brown, You’ve Got a Lovely Daughter / Herman’s Hermits
米国を侵略した英国のハーマンズ・ハーミッツです。いくら英国ブームでも、この曲がなぜこんなに売れたかは非常に難解なところです。

■18 The ‘In’ Crowd / Ramsey Lewis Trio
ダウン・トゥ・アースなグルーヴ感満点のファンクなジャズの曲”The ‘In’ Crowd”が、過去に売れたとは聞いていたものの、ここまで売れていたとは知りませんでした。米国のリスナーは気まぐれで素晴らしいです(笑)

■17 This Diamond Ring / Gary Lewis & the Playboys
リード・ヴォーカルは、コメディアンのジェリー・ルイスの息子さんです。ビートルズの”Not A Second Time”にちょっぴり影響を受けているような曲です。

■16 I Got You Babe / Sonny & Cher
フォーク・ロックの夫婦デュオです。奥さんはあの大ヒット曲 “Believe” のシェールです。

■15 Shotgun / Junior Walker & the All Stars
A♭7だけのノリノリのソウルです。60年代中盤はソウルが大きく発展を続けていた時代でもあります。

■14 Hold Me, Thrill Me, Kiss Me / Mel Carter
ポップなR&B/ソウルです。ファンクとは一線を画して当時確実に支持されていた大人のジャンルです。

■13 The Birds and the Bees / Jewel Akens
いわゆる一発屋として知られるパフォーマンスです。ちなみに「鳥と蜂」は子どもに両性の営みを説明する性教育を意味する言葉です

■12 King of the Road / Roger Miller
米国市民が大好きな洗練された爽やかなカントリーです。

■11 Help Me, Rhonda / The Beach Boys
米国市民が大好きな洗練された爽やかなサーフ・サウンドです。

■10 My Girl / The Temptations
言わずと知れたR&B/ソウルの超名曲です。コテコテのベースラインにコテコテのコーラスが見事にフィットします。ドラムのブレイクもコテコテです(笑)

■09 Crying in the Chapel / Elvis Presley
最強のヴォーカリスト、エルヴィスが無二なところは、バラッドにディープなビートを感じることです。

■08 Can’t You Hear My Heartbeat / Herman’s Hermits
確かに米国にはない純朴なキャラはキュートではありますが、ちょいとばかりこの順位は高すぎるように思います(笑)

■07 Help! / The Beatles
4人のプレイを別々に意識して4回聴いた後で5回目を聴くというのが、彼らが用意した御馳走を美味しくいただく方法です! ビートルズが、曲の進行に沿って必要な音を効果的に選んで組み合わせて勝負しているバンドであることがわかります。

■06 Downtown / Petula Clark
「トラブルも心配事も忘れてライトが眩しいダウンタウンに行きましょう。ダウンタウンは今夜あなたを待っています。ダウンタウンに行けば、もう大丈夫」というコロナ禍では炎上すること必至の素晴らしい60年代ポップスです(笑)

■05 You’ve Lost That Lovin’ Feelin’ / The Righteous Brothers
ライチャス・ブラザースの最大のヒット曲であり、究極に美しい納得のブルーアイド・ソウルです。ビル・メドレーのまったくブレない重低音に、ボビー・ハットフィールドの躍動する中高音が被さって来て魂のバトルとコラボを繰り広げます。私の中では、この曲がこの年の米国No.1です。

■04 You Were on My Mind / We Five
英国による侵略に乗っかって、サンフランシスコのポップス・グループがスキッフルのようなギター・ミュージックとハーモニーを前面に出したら思わぬ大ヒットを飛ばしてしまったみたいな感じかと思います(笑)

■03 (I Can’t Get No) Satisfaction / The Rolling Stones
これまでのロックに存在していなかったキース・リチャーズのファズ・ボックスで歪ませたハードなギター・リフをバックにミック・ジャガーのロック魂を炸裂したヴォーカルが展開するこの曲は、ロックの歴史を創った最も重要な曲の一つであることは疑いの余地もありません。「No」を叫び続けるこの曲のテーマは「満足」よりも「破壊」にあると思います。

■02 I Can’t Help Myself (Sugar Pie Honey Bunch) / Four Tops
非の打ち所のない最高にご機嫌な曲です。やはりポップ・ミュージックはこうでなくちゃね(笑)

■01 Wooly Bully / Sam the Sham and the Pharaohs
ナンセンスなブルースです。奇抜さは音楽のセールスにおいて極めて重要であるということを再確認させてくれるNo.1です(笑)

[The Rolling Stones – (I Can’t Get No) Satisfaction (Official)]

英国勢の侵略に沸いた1965年は、ロックの”Satisfaction”、フォーク・ロックの”Like a Rolling Stone”、ブルーアイド・ソウルの”You’ve Lost That Lovin’ Feelin'” など、その後のポピュラー・ミュージックの動向に大きな影響を与えた革新的作品を生み出した極めて重要な年であったといえます。次回は1955年を旅します。


編集部より:この記事は「マスメディア報道のメソドロジー」2021年5月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はマスメディア報道のメソドロジーをご覧ください。