東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・40歳)です。
つらいゴールデンウィーク
5月6日朝に本稿を打ち込んでいます。2年連続の緊急事態宣言下でのゴールデンウィークもまもなく終わろうとしています。東京、大阪、京都、兵庫の4都府県は正に宣言対象地域、その他でも多くの地域で緊張状態が続く中でした。
私の地元・墨田区では5月1日から65歳以上のワクチの接種予約受付がスタートしました。他の地域では、75歳以上からなどの仕切りでやっているところもありますが、墨田区では65歳以上全てを対象としました。受付は、電話とネット両方使える体制でしたが、いずれもアクセスが殺到。1日の土曜日は、個々にくるクレーム等の対応で一日が過ぎました。実際には、1日の午後からシステム改善がなされて、ネット予約はスムーズになった事はなったなりました。
電話回線はパンク
それでも、やはり翌2日も電話回線は当初予定よりも増強したものの混み合っている状態の解消はなされませんでした。この状態は、まだ改善されません。
今回は予約枠を37578人分。中にはワクチンの様子を見ている方、今後、随時準備される「かかりつけ医」で接種されたいと言う方もおられる事も考慮して枠を用意しました。この枠の予約完了状況を見てみます。
スタート2日間で、ある程度が落ち着き、翌日以降は下記となります。
5月3日 24357人(65%)
5月4日 26627人(71%)
5月5日 28433人(76%)
とは言え、私の元には、予約センターでの電話が本当に繋がらないという苦情が途絶えません。実際に、相談頂いた方のところへ行って、こちらのスマホで予約をお手伝いもしました。
取り残される非デジタル
すると、この伸び方を見ると、デジタルユーザーは既に予約がほぼほぼ完了しきっていて、今は電話をかけ続けて下さっている方が順次繋がって、予約が進んでいる状態であることは間違いありません。
これこそデジタルデバイドです。デジタルを持つ(使える)人とそうでない人の格差が進んでいます。上記のネット予約をされた方も、家族がやってくれたとか、近所の若者がやってくれたという声も聞きます。その反面、こうやってブログを綴っている今も電話と格闘されている高齢者がいる事を思うと不憫でなりません。実際に、川松後援会青年部では、そのお手伝いをさせて頂きますと決めて、地元の区議会議員らと協力して、お困りの方のサポートに回った連休でした。そもそも、助けを求められる人は一周しており、自宅でこもっている方を見つけ出すのは大変ですが、少しでもお役に立てればと同級生達と歩いていました。
一方で、西村大臣が3日のテレビ番組で「お札が感染経路か」と発言された事を受けて、一部メディアではキャッシュレスなら安心だと語る方もいました。現実的には正しいのでしょうが、更なるデジタルデバイドが進みかねないと危惧するところです。
デバイド解消を模索しているが
東京都では、デジタルデバイド対策に向けて各種施策を今年度予算化し進めていきます。が、そもそもの問題を解決しなければなりません。望まない孤独問題も社会課題になっていますが、そのSOSをキャッチできる機会を見逃してはいけません。私はそういう声に反応していく、制度と制度の間でもがく方々を1人でも多く救い出すのが政治の仕事であり、行政の仕事だと常々言い続けています。
これからも効率化だけを求めればデジタルシフトは当然で、私もデジタル化を推進している立場です。政治という場面において、私は進んでいる方だとは自覚していますが、そもそも、政策決定を行なっている政治家のデジタルデバイドもあるくらいですからね。偉い方々は「これやっておいて」で済みますが、現場はそうはいきません。
行政は変わらなければならない
墨田区は早い方でしたが、全国の自治体で似たような動きが進んでいきます。こんな視点を持ちながら、デジタルもアナログもスムーズにいく体制構築が必要だと強く実感しています。考えてみて下さい。何日間も、電話が繋がら無い苛立ちと不安を持ったストレス生活はコロナ禍での心身負担を増大させてしまうと。
行政の果たす役割をマスコミも、いたずらに邪魔するのではなく、落ち着いて皆さんが動けるように行政と一体となった呼びかけも定期的に必要だと感じて欲しいです。その意味において、行政の広報もあり方を変えて、言いたい事を発信するようなスタイルから、必要な人に情報が届くスタイルに変えていかねばなりません。大本営発表では、何も変わりません。それはデジタルだろうが、非デジタルだろうが受信者を意識しない発信はこの時代には何の意味も持たない事を行政が自覚するように、引き続き私も山を動かしていきたいと考えます。