ワクチン優先接種の対象となっているのはお医者さんだけでなく看護関係者、歯医者さんや薬剤師さんもなのに、どうして、お医者さんだけ批判するのかと、お医者さんから聞かれたので、こう答えた。
- お医者さんたちがお手盛りで自分たち優先にしてバランス上ほかの医療関係者を含めただけ
- お医者さんたちは高収入や社会的地位に相応しいノーブレス・オブリージュを発揮すべきだ
- ワクチンの接種の遅れに責任があるお医者さんが自分たちを優先するのはおかしい
もう少し、詳しく説明しよう。
欧米では1.「高齢者施設の入居者とその関係者」と2.「コロナ最前線のお医者さんと看護師さんなど」が最優先になっていることが多い。
まず、医療関係者だけが最優先というのがそもそも暴挙である。また、2.に該当するのは医師全体の10パーセントもいないだろう。それにその数倍の看護師さんなどを加えても20万人にもならない。
他の医師からうつされることもあるからというかもしれないが、それが医師の家族や食事にいって感染するのに比べて多いはずもない。コロナ関連医師のコロナ患者からの直接感染以外を心配するなら、そのお医者さんは家族とも隔離されるべきだし、外出もできないことになる(良心的なお医者さんで外出を原則しないという人もいることは付言しておくが例外だろう)
しかし、屁理屈つけてお手盛りですべてのお医者さんや医療機関の他の職種の人や出入り業者にまで拡げた。
そうなると、バランス上、歯医者、薬剤師もということになったのであって無茶な拡大の根っ子はお医者さんだ。しかも、順位を決めるのに、看護師、歯医者、薬剤師の関与は限定的で、主導したのは、コロナ分科会の会長の尾身先生や医系技官などみんなお医者さんだ。
お医者さんはノーブレス・オブリージュを発揮するべきだ。一般人よりかなり高い収入を得ており、ワクチンの集団接種でもお医者さんの日当は看護師さんの数倍だ(だいたい一日で10万円で看護師さんは1万5000円ほど)。
また、医療現場では、21世紀とは思えないほど、封建的な身分制度が発揮されている。安い給与で、不公正な身分制度の元で働いている、医療現場の医師以外を同じように批判するのが適切とは思わない。
お医者さんは独占領域を広く設定して、たとえば、ワクチン接種でも歯医者さんの出番も制限しようとしているし、薬剤師に拡げるのも認めそうもない。また、ワクチンの承認を縄張り意識で遅らせてもったいつけているのは、これも審議会などの要職を占め、医系技官を出しているお医者さんたちだ。
そういう意味でワクチン接種の遅れに対する責任は、ほかの医療等従事者でなく、もっぱらお医者さんたちが追うべき者だ。
むしろ、意欲ある歯医者さんや薬剤師がコロナ対策に貢献するのを邪魔している立場であるし、看護師さんが独自にできる権限拡大も進めるべきであって、その意味で、医療逼迫の原因をつくっているのは、お医者さんであって、ほかの医療従事者にその責任の一端を負わすわけにはいかないのである。
それから、お知らせだが、松田政策研究所の特番で医系技官など日本の医療の闇について話をした。
財務官僚の松田学さんでも、技官の仕事には、口出しなどできない実態を一緒に語ったので紹介しておく。私と松田さんの話がセットになることで、霞ヶ関・永田町の深層が明らかになっていると思う。ワクチンの話は、YouTubeで理由不明で規制を受け、チャンネルそのものまで止められる可能性があるので、別チャンネルで話すことにして、いっさい、ワクチンという言葉を使っていない。おかしな世の中になったものだ。
もっとも、私は熱烈なワクチン接種推進派だから、このことでリベラル派から批判される憶えはないが、このチャンネンルでワクチン慎重派の番組を流したことで、チャンネル自体が目を付けられているので仕方ない。
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