日本人はワクチンパスポート無しで海外旅行ができるか

前田 陽次郎

「日本はワクチンパスポートを導入しないと、どこの国も日本人の入国を認めてくれなくなり、海外旅行ができなくなる。」という話が盛んにされているが、私はそんなことはないと思う。

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ワクチンパスポートで入国を許可する、というのは、根本的には「外国人の入国を禁止している国が、条件を緩める」ということなのだ。であれば、現在日本人の入国を許可している国が、わざわざワクチンパスポート必須というように条件を厳しくするはずがない。

ということを前提にして、国ごとに現在の状況を説明する。

アメリカ

日本在住の日本人であれば、今現在アメリカへ入国することは可能だ。但し、州によって多少条件は異なる。

日本人に対するアメリカへ入国条件は、日本を出発する3日前までにPCR検査を受けて陰性であることを確認することである。そして陰性証明書を航空会社が搭乗時に確認するだけ。アメリカ入国時には何の確認もされない(要求されれば提示する必要はある)。

アメリカの入国審査は通常と何ら変わらない状態である。入国時に陰性証明書を見せる必要もないし、隔離されることもない。入国審査を終えれば、何の制約もなく自由に行動できる。州によって違いはあるが、国としては

入国者の滞在先を聞くこともないし、GPS等で行動を追跡することもない。

そしてワクチンパスポートを禁止する条例を作っている州が増えてきている。

この状況でアメリカが日本人に対して入国条件を今以上厳しくすることは、私には考えられない。

ヨーロッパ

ヨーロッパは国によって入国を許可する条件は違う。EUとして国ごとの感染度の共通の指針は示されていて、英国変異株の蔓延で規制が厳しくなるまでは、感染度の低いグループの国からはノーチェックで入国させている国はいくつもあった。指定国は2週間ごとに見直される。

2021年1月28日現在このグループに指定されている国は世界で7カ国しかなく、日本も1月の感染拡大まではここに入っていたが、1月27日に除外が決定されてしまった。日本在住の日本人であればノーチェックで入国することがでる国はいくつもあり、実際に私は昨年11月にフィンランド、スウェーデン、ポーランドに入国したが、いずれもノーチェックで入国できた。こうした国々は、EU諸国からの観光目的での入国を禁止していながらも、日本人観光客は無条件で受け入れていたのだ。

またドイツは相互主義の観点から、日本がドイツ人観光客の入国を認めていないため、日本人観光客の入国を認めていなかった。それを2021年1月1日から緩和し、低感染国からの入国は認めるようになり、日本人も無条件で入国可能になった。そして日本が1月の感染拡大でEUのホワイトリストから外されたため、1ヶ月も経たずに再度入国禁止が決定され、2月2日から日本人観光客の入国はできなくなった。

その後各国とも英国変異株の流行に伴い入国条件が厳しくなったが、それを緩めるにあたって、無条件にワクチンパスポートということではなく、従来入国を認めていた低感染国からの観光目的での入国は認めるようになると私は考える。日本も感染者数が減ってまたEUから低感染国だとみなされれば、日本人観光客を受け入れる国は増えると思われる。

アジア諸国

欧米に比べてアジア諸国は、現在も海外から人が入ることに関しては厳しい。

これらの国がこれから入国条件を緩めて、ヨーロッパ人への開放を進めていく中で、ワクチンパスポートを導入していないという理由で、日本人観光客の入国を認めないことを続けるのだろうか。韓国・台湾・香港などは、例えばPCR検査陰性の結果をもとに、日本人は入国可にするなどして条件を緩めると、私は思う。

総括

以上から、ワクチンパスポートがない限り日本人韓国客の入国を拒否する国というのは、あってもオーストラリア・ニュージーランド程度だろう。