憲法2条の世襲は女系でもよいなら養子も否定できない

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皇位継承定めた憲法2条の、「『皇位は、世襲のものであって』とは、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承することと解され、男系、女系の両方が憲法において含まれる」と加藤官房長官が2日の衆院内閣委員会で、述べたらしいが、これは少々軽率ではないか。

もし、『世襲』というのを国語的にのみ判断するなら血縁のない養子でもいいことを排除できない。

だから、私は『明治憲法下での原則に拘るわけでないが、従来の継承原則に基づく世襲』と解釈すべきだと考えている。

その意味では女帝は容認されるが、女系はダメである。ただし、もしいろいろと工夫はしてみたが、男系継承がどうしてもできないという場合には、仕方ないので女系などにも拡げることが許されるとも解釈できると主張してきた。

180度原則を変えるような憲法解釈はあらゆるケースにおいて慎重であって欲しいからだ。

私は男系継承を行うために最大限の努力をすることが先決であって、合理的な努力をしたうえで、どうしてもうまくいかないなら女系も考えればいいという考え方である。

平成の時代にあって、佞臣たちが、女系容認論を展開したのは、つまるところ、陛下へのおもねりだったと思う。

古今東西、その時々の皇帝や国王に娘とか女の孫しかいなかったときに、その帝王の娘、外孫などに継承させようとして国家が分裂したり、戦争になったりしたことはよくあったことで、絶対にあってはならないことだ。

また、仮に女系継承を認めても、わずか四人だけの孫の子孫以外を皇位継承から排除した場合、何世代かのうちに誰も子孫がいなくなったという可能性は相当に高い。特に皇室の場合、近親結婚が多かったせいか、平均的な日本人に比べても、出生率は高いものではない。

かりに百年後に、現在の上皇陛下の四人の子孫が誰もいなくなったら、皇室は店仕舞いなのか?イギリスでは、王位継承者予備軍が何千人もいる。そこまではいかないが、数十人から100人くらいの予備軍がいないと皇位継承の永続性は担保できないのである。