尾身会長は行動規制に効果がないことをわかっている

衆議院厚労委員会における青山議員の質疑を見ていて、それがよくわかった。

衆議院インターネット審議中継

日本に青山議員のようなまともな国会議員が1人いたというのは、ほんとうに救いだったと思う。

この2021年6月4日の質疑、是非みなさんに見て頂きたい。

内容に関しては青山議員本人のFacebookページも参照頂きたい。

この日の質疑では、ずっと前から予告はされていたけど、今回やっと採り上げられた、アメリカの州ごとのデータによる分析に対する尾身氏の見解に私は注目していた。

ちなみにこの日は、「妊婦の出産時にはマスクを着用すべきでない」という言葉を尾身氏から引き出したが、そういう話でも一切マスコミでは報道されない。上記中継ビデオの6:59:50あたりを見て頂きたい。オリンピック反対に関する同委員会での尾身氏の発言はさんざん報道するくせに、こういう大事な話は一切報道しないのが日本のマスコミである。マスコミは日本を混乱させ社会不安に陥れることしか考えていないと思われる。

話を元に戻して、アメリカの州ごとのデータについてである。アメリカは州によってコロナ対策の規制度が違う。サウスダコタはほぼ無対策。それでも他州と比べて感染度に差がない。

青山議員が採り上げたのは、このサウスダコタとノースダコタ。名前の通り、北と南に接していて、気候条件人口条件もほぼ同じ。ノーガードのサウスダコタに対しノースダコタはマスク着用を義務化しロックダウンを行った。それでも、両州の間で感染度に差はない。

人口密度が低いこの州の事例だけでなく、人口が多いカリフォルニアとフロリダも採り上げた。カリフォルニアは夜間外出禁止など激しいロックダウン政策を長期間行い、フロリダはもう去年後半からほぼ無規制になった。それでも、感染状況はフロリダの方がいい。

こういう事実を示されても、尾身氏は「アメリカと日本は違う」と言い出すのか、と私は思っていた。しかし答弁の言いぶりからすると、尾身氏は言い訳めいたことをだらだらと話したけど、おおむね「日本の社会的距離政策には意味がなかった」と認めていると、私は感じた。

アメリカ人はこの状況をよく知っている。日本と違い、「マスクやロックダウンに意味はない」という報道も、地上波のニュース番組でどんどん流れている。いち早くマスク解除をしたフロリダ州知事が「マスクやロックダウンに意味はない。実際、規制が厳しいカリフォルニアよりフロリダの方が遥かに状況がいいじゃないか」ということを地上波のテレビ番組で何度も話し、それが全米に流れていた。州知事のこうした発言がYouTubeでは削除されるなど、異常な状況だった。

だからアメリカ人はマスクに意味がないことは十分わかっていて、単に「マスクを着けるのは民主党支持者。マスクをしていないのは言うことを聞かない共和党支持者」というレッテル貼りだけでマスク着用を促していた。

私も先月アメリカに行っていたから、この辺の事情はわかる。民主党首長の街にある「マスクを着用しましょう」という啓発ポスター類は、「感染拡大を防ぎましょう」というより、「よい子のみんなはマスクを着けましょうね」という言い方なのだ。一方共和党首長の街では、「マスク着用」を促す掲示は、無い。

名称未設定

筆者撮影。

フロリダ・キーウエスト空港にて2021年5月18日撮影。「みんなでマスクを着用しましょう」というスローガンでしかない。

そして意味のないことを続けて経済活動を停滞させるのは馬鹿らしいので、「全国民にマスクを着用させる」と言って就任した民主党バイデン大統領が、今度は「ワクチンを打ったらマスクを外していい」と言い出した。自身もマスクを外していて、韓国大統領との会談では両者ともマスク非着用だったことが、韓国内では問題視する人まで出ている。

米韓首脳は「マスクなし」 ワクチン普及で様相一変

バイデン氏、菅首相の時は「二重マスク」、文大統領の時は「ノーマスク」=韓国報道

バイデンは「マスクを着用しているのはワクチンを打たない共和党支持者だ」とレッテルを逆転させることに成功した。アメリカではマスク義務解除の州がどんどん増え、あれだけ規制が厳しかったカリフォルニア州でも、ついにマスク解除が決まった。

当然、ワクチンを打たずにマスクを外している人も沢山いるが、マスクに感染防止の効果がないことはアメリカ人はみんな知っている。だから、「ワクチン打たずにマスクを外している人がいて、怖い」みたいな話は広がらない。みんなマスクを外したいのだ。

私はたまたまニューヨークでワクチン接種者に対するマスク着用義務が解除されたその日に現地にいた。午後、時間が経過するに従い、多くの人がマスクを外し始めていたのが面白かった。朝はマスク着用で家を出て、まわりの雰囲気を見ながらマスクを外している感じだった。手にマスクを持っている人が多かったのが、それを表している。

筆者撮影。

屋外でのマスク着用義務が解除された2021年5月19日夜のニューヨーク・タイムズスクエア。マスクを手に持った人、あごマスクの人が多数見られた。

日本のマスコミはこういう背景を全く報道しない。「アメリカではワクチン接種が進んでマスクが必要なくなった」という言い方しかしていない。しかし、ワクチンを打たない人が多く、ワクチンが余りまくって1億円の宝くじを付けたり、旅行者にまで無料で接種したりしているのが現状である。

まあ、日本も「ワクチン打ったらマスク外していい」と言うのなら、アメリカの事情なんてどうでもいいから、私も「マスコミの嘘」には目をつぶりたい。