平均寿命はコロナで伸びて経済成長はG7で最低の日本

八幡 和郎

BBCが6月10日夜のニュースで報じたG7各国の超過死亡率の比較を、Facebookで紹介したら、大反響だったので、アゴラの読者の皆さんにも披露したい。

各国の超過死亡率 BBCより

この表で見て分かる通り、アメリカは、20.2%、イギリスは19.2%、仏医イタリアは19.6%、フランス10.2%、カナダ5.1%、ドイツ4.9%と超過しているが、日本だけ▲1.4%。だ。

この超過死亡率は、このような特殊要因がなければどうなったかとの比較だ。日本はマイナスだ。つまり大ざっぱに言えば、平均寿命が延びるということだ。

この番組を見たらしい、国民民主党の大塚耕平議員はTwitterで「日本人は他の疾病を抑制したか、平年並死亡者数の死因にコロナが混じったということか。難しい。過剰規制論者の主張の根拠にもなりうる」と口惜しそうと云うと失礼かもしれないが、戸惑っておられる。経済通の大塚議員は、ぜひ、過剰な規制の撤廃に行動して欲しい。

そもそも、インフルエンザだって超過死亡が出る。2006年以降は、一万人を超えないと言われているが、1956-1957年では5万人を超えたと推計され、平成に入ってからでは、1994-1995年には4万人を超えていた。

コロナは日本のお医者さんたちが欧米の5%程度の患者・死亡者数でも医療崩壊するといって泣くので緊急事態宣言など出した結果、いつもの年より死ぬ人は減ってしまった。実際には緊急事態宣言が引き起こした殺人といっても過言でないかもしれない自殺者数の急増を入れてもこうなのである。

そしてGDPはアメリカよりダウン、EU並である。とくに、2021年度については日本が最下位である。これが、尾身さんなど専門家たるお医者さんの言うことにこれでも諾々と従った喜劇的結果である。これを見て日本のお医者さんは立派などというのは馬鹿げている。

少なくとも日本全体で見れば、「さざなみ」どころか、風も吹かない「なぎ」状態で、「日本経済丸は沈没寸前」である。

ただし、これは高橋洋一氏を擁護するものではない。なぜなら、高橋氏らがMMT理論など奇抜で当てにならない経済理論を持ちだすから、日本人は経済活動を縮小して働かずに政府が給付金を撒いてくれればいいという選択をするようになったのであるから、高橋氏本人は意識されていないだろうが、この漫画チックな状況の共犯なのだ。

そして、日本人の心は病み、子供たちが帰省しないとか、孫が遊びに来てくれない、施設に入っていたり入院したりしている人は、家族に会えないまま痴呆が進み寿命は延びても余生の質は悲劇的に悪くなっている。私だって、絶対に将来、高齢者施設には入りたくないと思うようになった。

これでも、緊急事態とか五輪とかで、尾身茂会長のような人物のいうことに従うとすれば、日本人も政府も大馬鹿としか言い様がない。

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