歳を取ると「厄介な人」になりがちな理由

自然年齢で人間を判断するのは、必ずしも正しいとは言えないのですが、一般的な傾向として年齢を重ねると「厄介な人」になってしまう傾向が強まると感じています。

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その理由の1つは言うまでもなく、加齢による適応力の低下です。子供は環境の変化に自然に適応していける柔軟性を持っていますが、その能力は経験の蓄積とともに減少していきます。

世の中が変わっても、過去に自分が経験した価値観で判断をするようになったら要注意です。

また年齢とともに、自己承認欲求を満たされる機会が減っていくことも影響しています。家庭においては、家族からの尊敬が得られない。あるいは、社会において自分の存在意義を感じられない。このような状態になると、厄介な「かまってちゃん」になってしまうのです。

コンビニエンスストアのレジで、店員に絡んで文句を言っているおじさんは、正にこの典型です。

そして3つ目は、日本に根強く残っている年功序列の文化です。自然年齢が上と言うだけで、思っていることが言えなかったりする。未だに、初対面で干支を聞いたり、年齢を聞いて、態度を変える人は珍しくありません。

年功序列になればなるほど、年長者には耳障りの悪いアドバイスが入ってこなくなり、裸の王様になりがちなのです。

自分では気がつかないうちに「厄介な人」になってしまう。これは恐ろしく、悲しいことです。

そうならないためには、歳を重ねれば重ねるほどに、腰を低くし、周囲の声に素直に耳を傾けることを意識しなければなりません。

と、ここまで書いて、果たして自分は大丈夫なのか?急に不安になってきました(笑)。敢えて耳の痛い忠告をしてくれる人たちを、大切にしなければいけませんね。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年6月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。