麻生太郎氏「小池氏過労は自分でまいた種」発言はない

東京都は6月27日、過度の疲労で静養中の小池百合子知事が28日以降も入院を続け、数日間程度公務を外れると発表した。それにしても酷いのが、小池氏の過労入院を「自分でまいた種」と責めた麻生太郎財務相である。麻生氏は、6月25日、過労で静養している東京都の小池百合子知事について「自分でまいた種でしょうが」と発言したのだ。

麻生太郎氏 NHKより

同日に告示された東京都議選で、青梅市選挙区の自民党新人候補の応援演説をした際の発言である。麻生氏は、小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会を「代表の国会議員がいないから(国に)話が通じない」と指摘。「従って知事が自分でやる。過労で倒れた。同情してる人もいるかもしれんけど、(小池氏が)そういう組織にしたんだから」と批判した。その上で、都議について「自民党とつながってる人がいなきゃ話がつながらない。一番上が国会であるならば」と強調したのだ。

都民ファーストの会の議員に自民党と折衝する役割の人がいないのは確かなのかもしれないが、それはそれ。小池氏の過労を自業自得と切って捨て、同情しないというのは如何なものか。私も小池都政に関してはかなり批判的であるが、それでも、都知事の体調を心配しているし、先ずはゆっくり静養してほしいと思っている。そう思うのが、普通の感覚ではなかろうか。

自民党と都民ファーストは敵同士だとしても、敵将が不慮の病で倒れたならば、先ずは労りの言葉をかけるのが、あるべき姿であろう。麻生氏の祖父は、あの吉田茂元総理である。吉田元総理と言えば「ワンマン宰相」と称され、傲慢・傍若無人な態度で知られる。報道される麻生氏のこれまでの言葉を聞いていると、記者に対しても上から目線の発言が目立つように思うが、祖父を真似ているのだろうか。それとも、名家の御曹司であるので、元来がそうした気質なのだろうか。

麻生氏は、周囲何メートルに来た人をファンにする、虜にするとよく聞くが、そのような気さくな面を持つならば、もう少し日頃の言葉に配慮すれば良いのにと感じてしまう。吉田元総理も、傲慢さの中にユーモアを兼ね備えた人だと評されているのだから。