コロナワクチンだけではない、お金の世界にもある「バカの壁」

コロナワクチンを接種すべきか、すべきではないのか?そんなネット上のやり取りを見ていると、養老孟司氏のベストセラー「バカの壁」を思い出しました。「人間は自分の脳に入ったことしか理解できない」という視点で、世の中の様々な対立を分析してみせた名著です。

この「バカの壁」はコロナワクチンに限らず、今でも至るところに存在します。

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例えば、お金の世界でもこんな「バカの壁」が存在します。

1.貯金派と投資派の「バカの壁」
ファイナンシャルプランナーのような「お金の専門家」の中にも貯金しなさいと説いている人がいます。資産を充分に保有していて、インフレにならないと思っている人にとっては貯金が一番なのかもしれませんが、少なくとも私はそう思っていません。

2.インデックス投資家とアクティブ投資家の「バカの壁」
私はインデックス投資家ですが、アクティブ運用を否定している訳ではありません。優秀なアクティブ運用の投資家もいるとは思いますが、それよりも自分が優先すべきなのは実物資産への投資だと思っているだけです。確率的に勝てる可能性の低いアクティブ運用は多くの個人投資家にとっては、徒労に終わることが多いという現実があるだけです。

3.金融商品派と不動産投資派の「バカの壁」
お金を借りて不動産投資をすることを「危険」「騙されている」と警戒している人は、少なくとも私の周りでは随分減ってきました。私が不動産を買い始めた当初は、冷ややかだったインデックス投資家の中にも、この7年で私と同じように「変節」した人たちが、実はたくさんいます。

バカの壁を突破するには、自分とは異なる考え方の人たちの意見をハナから否定するのではなく、耳を傾けることです。資産運用の世界で言えば、自分がやったことも無いものに対して、わかったような結論を出すのは止めた方が良いでしょう。

私は、金融商品の運用に関してはインデックス投資派ですが、個別銘柄の投資もやっています。また、不動産投資に傾倒していますが、インデックスファンドの積立も相変わらず毎日やっています。

自分がどちらを選択するのかは、自分が決めれば良いことです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。