今週のつぶやき:どうなる政権の行方ほか

スポーツと言えば今は五輪よりも大谷翔平ですね。有観客の球場でホームランを打ち続け、ピッチャーもこなし、アメリカで人気者で可愛がられています。今までのMLBに行った日本人選手は野球の技術だけを武器に海を渡った人も多かったと思いますが、大谷はアメリカの国技の一つである野球に全米からファン層を獲得していることは海外在留の日本人にとっても心強いです。相撲も始まっていますが、白鵬ももっと日本人人気が出るようになれば大横綱として株が上がったのにと思います。現地への溶け込みはそれぐらい重要です。

RomoloTavani/iStock

では今週のつぶやきをお届けします。

上がる、下がる、株価の行方

答えが分かれば苦労しません。しかし、分かろうと努力することは大事です。北米は市場参加者のタイプが多く、株価の材料に対して強弱感が対立しやすくなり、結局のところ数ある理由が一方向に収れんし、株価のベクトルが決まる傾向があります。一方、日本の場合は市場参加者が海外勢主軸で国内機関投資家と小型株をいじる個人投資家という棲み分けがあるため、ボラティリティが大きく、市場が未だに成熟化していないのです。それゆえに上がるときは不必要なほど上がり、下がるときは崩落状態になります。

さて、北米市場は金曜日に見事な回復ぶりとなり、資源価格も上昇となっています。夏休み真っ盛りなので通常ならば売買高は下がり、株価もぶれやすくなります。チャート的には6月の調整が程よく効いているのでもうしばらくは史上最高値を更新し続けるとみてます。インフレは項目によりばらつきがありますが、食品が高くなっており、飲食店は再開しても価格負けして顧客がついてこられなくなるかもしれません。木材は下値模索、原油は回復途上です。最大のピンチは半導体でこの不足具合は世界経済回復の最大のネックになるとみています。

日本の株価は主体性がなくなっていますので海外市場に引っ張られやすくなります。日経平均は金曜日の午前中に底打ちして後場にかけて500円戻しました。チャート的には底打ち完了ですので来週は28500円程度までの戻りは期待できるとみています。いくら何でも五輪関連の悪材料は出尽くし感がありますので五輪直前でマスコミの目線も変わるでしょう。盛り上がらなくてもそれがメディアに大々的に報じられるわけで政治もコロナも休憩期間となる「無重力相場」となれば北米が好調である限りまずまずの株価になると思います。最後に、4-6月決算がそろそろ出ますのでこの中身には要注意です。

どうなる政権の行方

世間のもう一つの着目点は秋の選挙です。自民党の場合、総裁選もあるのですが、数カ月前に言われていた様々なシナリオは一旦スクラップにしてもう一度練り直しです。キーは二階幹事長だと思います。降ろしたいと思う勢力がどれぐらいに増えるのか、その間に政治力が強い二階氏が小池百合子氏をどうするつもりなのか、これが着目点です。一方で菅総理続投と言っているのも二階氏。個人的には小池氏は自民党に戻ってこないと思います。敵が多すぎて勝算がないし、二階氏の権力もそろそろ賞味期限です。

竹下派の竹下亘会長が74歳にて引退を決意しました。後継に茂木敏充外相、加藤勝信官房長官、小渕優子元経済産業相の名前が挙がっています。名門派閥だけにその動向が注目されますが、茂木氏は人間的に不人気、加藤氏はよくわからない人で派閥を率いるタイプではない気がします。私としては小渕さんを押してみたいところです。自民党で女性の派閥会長となれば将来の総裁候補にもなれます。彼女の筋は悪くなく、自民内の女性リーダー層の中では目立たない存在となっていることも含め、切り口を変えるのもありかと思います。

秋の衆議院選に向け、自民党が安定数を確保するには五輪の無事終了、ワクチンの普及で感染者が激減、経済正常化へのめど、海外との往来の再開プランの具現化が最大の判断材料になります。今、この時点で経済復興プランを練り上げていなければ間に合わないと思いますが、絶対にリークさせずに国民が納得できるものを9月にぶち上げる演出も重要でしょう。ただ、国民には世代交代と共に自民離れが明白に起きており、立民は否が応でも議席を大幅に伸ばせる状況にあります。選挙後の勢力では自公が自在にできることは困難かもしれません。

突如話題になった空飛ぶタクシー

空飛ぶタクシーとか空飛ぶクルマというのは二種類あります。一つは陸空両用の自動車で映画のように自動車から羽が出て、空を飛ぶというもの。一般に空飛ぶクルマの狭義の概念はここから出ていると思います。もう一つはドローン型でこれは垂直に動く無人ヘリコプターのようなものを想像すればよいのでしょう。どちらも世界で開発にしのぎを削っていますが、個人的にはドローン型が有利かと思います。理由は当局の規制上、道路を滑走路のように使う安全上のリスクがあまりにも大きく、ライアビリティを考えれば当局がよほど限られたところでなければ許可しないとみています。それこそ、渋滞しているから空を飛んでやれ、というわけにはいかないでしょう。

ではドローン型。これはJALが具体的に三重県で2025年に開始すると発表し、全日空も追撃すると報じられていることから一気に拍車がかかるものと思います。何故三重県かといえばあそこは交通不便の陸の孤島のようなところだからでしょう。伊勢から南におりて志摩市あたりは奇麗なところだけど行くには不便すぎるのです。同じような発想で瀬戸内海の島へのアクセスも可能になるかもしれません。問題は航続距離が現時点で35キロ、たったの二人乗りという点でしょうか?ただ、このドローン型空飛ぶクルマは価格が安く抑えられるので個人がセカンドカー代わりに使える日はさほど遠くないと思います。人が自由に空を飛ぶ時代はもう間近ともいえそうです。

後記

デジタルネイティブ世代の日本のテナントから「乾燥機、6年になって寿命だから交換して」と。何故ですか、と聞けば「ネットにそう書いてあった」と。ネット情報を鵜呑みにしてしまうとそれ以上疑問を持ちません。価格が高いもの、例えばボートは30年でも持つし、自動車も十数年は平気です。住宅は数十年大丈夫だけどスマホは2-3年で交換する理由は何でしょうか?修理という概念です。修理代と資産の価格の差がその分かれ目です。でも最近の電化製品はやはり壊れなくなりました。お宅の冷蔵庫、何年使っていますか?30年ぐらい使っている方も多いでしょう。そんなものなのです。使い方次第で長持ちします。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年7月10日の記事より転載させていただきました。