十分な経済対策も補償もなく、責任逃れの「圧力」で緊急事態を乗り切ろうとする菅政権の思惑がはっきりした
こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
いくらなんでも法改正なしでこんな要請は無茶苦茶ではないか。財政金融委員会所属の議員としても看過しがたい。本件も含めて、早急に然るべき場での審議を設けていただきたい。 / 酒提供の飲食店 西村大臣「金融機関も働きかけを」 (テレ朝news) #NewsPicks https://t.co/523NuDoo1X
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) July 8, 2021
要は飲食店・事業者と取引がある(融資を行っている)金融機関から「圧力」をかけろということに他ならず、営業権を侵害するとんでもない要請です。
金融機関からの働きかけって、金貸さないとか、金返せとか、融資に関連するプレッシャー以外に何があるの?
まさか、銀行の担当者が雑談の中で「ちゃんとしてね」って言ってまわれってことか?そんなんで効果あるって本気で思っているなら、世間知らず過ぎてびっくりする。 https://t.co/hWWkIABZaG— 藤田文武(衆議院議員 日本維新の会) (@fumi_fuji) July 9, 2021
私も同感です。金融機関にとって「優越的な地位の濫用」は一番やってはいけないこと。本来は、その疑いすら持たれてはいけないものです。政府自身がその一線を越えさせるのは、残念ながら悪手にしか思えません。 https://t.co/G8ZlaVPKcv
— 小倉まさのぶ(衆議院議員) (@masanobu_ogura) July 9, 2021
「酒の提供を続ける飲食店の情報を(行政が)金融機関と共有し、金融機関からも働きかけを行っていただきたい」 https://t.co/vzkAtomOH8 これは公務員が職務上知りえた情報を銀行に教えて「金を貸すな」という以外の意味には解釈できない。違法な行政指導だ。
— 池田信夫 (@ikedanob) July 9, 2021
西村康稔大臣、要請に応じない飲食店に金融機関から働きかけを…
松井市長「逆やと思う。(時短等の)協力をしない店に罰則的に金融機関から申し入れをさせるのではなく『融資の返済猶予期間を設けるから協力要請に応じて欲しい』と言わせないと。もし圧力かける趣旨なら大きな間違い」〜囲み会見 pic.twitter.com/WUGXhwzYLw— にゅ (@news_ewsn_02) July 9, 2021
「優越的地位の濫用」は独禁法に抵触する。
今回の政府の方針は、まさしくこれに当たるのではないか。それとも「正常な商慣習に照らし」に該当しないという判断なのだろうか。
コロナという災禍で、この国の統治が崩れていく。
休業要請拒否店の情報、金融機関に提供https://t.co/8zC9bJDq48
— 乙武 洋匡 (@h_ototake) July 9, 2021
金融機関が本当に飲食店に何らかの「働きかけ」をすれば、独禁法が禁ずる「優先的地位の濫用」にあたる恐れがあります。特措法もこうした自体を想定しているものとはまったく考えられません。
要請を破りたくて破っている飲食店は少数派で、多くのお店は協力金の少なさや遅れから止むに止まれずお酒を提供しているはずです。
そうした現場の苦労を理解しようともせず(敢えて無視して?)、このように政府には直接責任が及ばない遠回しの「圧力」によって私権制限を行うやり方はまったく了承できません。
コンプライアンスの塊のような金融機関がそんなことをするはずないと思いましたよ。そもそも法的根拠なしに金融庁が許すわけない。省庁間の擦り合わせもなしとは、絶句。
「意味がわからない」「また西村大臣か…」 西村大臣発言に金融機関、金融庁関係者からもため息 https://t.co/wdDvhiORu3
— みなみ純|衆議院東京9区(練馬区)支部長/日本維新の会 (@minna_no_minami) July 9, 2021
なお昼過ぎに金融庁に確認したところ、具体的な指示は何も降りていないとのことでした。
上記ニュースによれば省庁同士の連携もロクに取れていなかった模様で、これらも含めて政府方針にはもう呆れてものが言えないというのが率直な思いです。
※指示が出ていたとの報道もあり
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さすがに撤回されたか。素早い決断は評価したいが、それにしても恐ろしい発想だった。今回の緊急事態宣言がどのような意図で出され、政権がどう乗り切ろうとしていたのかが透けて見えてしまった。信頼はすぐには戻らない。 #NewsPicks https://t.co/1StB6rZpWs
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) July 9, 2021
猛批判を受けて、この「金融機関からの働きかけ」は一夜にして撤回されることになりました。
この撤回は良かったと思います。しかしながら、同時に出された酒類販売事業者に対する飲食店との取引停止要請についてはまだ維持されているようです。
こういうのを狂気の沙汰と言うのではないか。 https://t.co/OYF21P9YXP
— 阿部 司(衆議院東京12区支部長/日本維新の会) (@abe2kasa) July 9, 2021
金融機関への要請の撤回は当然だが、酒類提供事業者に対する取引停止の要請は撤回せず残すのか。これも法的根拠のない営業の自由の制限であって看過できない。あわせて撤回すべきだ。政府のガバナンスは大丈夫なのか。
酒提供で金融機関要請の方針撤回と官房長官(共同通信) https://t.co/Vw7Rsolfjz
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) July 9, 2021
これらの対応から、1つはっきりしたことがあります。
それは政府は十分な経済対策や補償で「理解と納得」を得て緊急事態を乗り越えるのではなく、責任逃れをしながら・しかし強権的に「同調圧力」で事業者や国民を追い込み、その犠牲の元で緊急事態をやり過ごそうとしているという事実です。
これまでの緊急事態宣言も、大小様々な問題がありました。しかし、今回ばかりは発令までの経緯・内容ともに最低だと感じています。
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補償なき要請に頼るのではなく、国民や事業者が納得感を持って感染症対策に協力してくれる体制づくりや法整備を進めるのが国会の役割のはずでした。
ワクチン普及を目前に控えて、結局政治は最後の最後までこんな体たらくなのかと唇を噛み、負担をかけている皆様に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
与野党にいる心ある議員と連携しながら、なんとか経済対策などで事態を好転させる方向性を模索してまいりたいと存じます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年7月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。