東京五輪で、コロナに関し予想されるリスク

東京五輪が、21日から概ね無観客で開催される事が決まった(開会式は23日)。観客無しが、新型コロナの感染防止にどれだけ作用したかは分からないが、五輪開催に関するコロナのリスクはまだ残っている。

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特に東京五輪の成功を日本底力の発露としたいと願う門田隆将氏の様な保守層主流からは、不吉な事を言うのはいい加減にしろと塩を撒かれそうだが、以下に予想されるリスクを挙げてみたい。

  1. バブル方式の破綻による、選手団、海外メディア他からのデルタ株、ラムダ株等の市中拡散
  2. 選手村内の濃厚接触による、クラスターと「日本型新株」の発生可能性と世界拡散
  3. 海外選手の感染と濃厚接触認定による出場停止に関する、日本の防疫体制不備に対する訴訟等

上記1.のバブル方式については、自民党内から「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参議院議員が「穴だらけ」として繰り返し粘り強く是正を求める声を上げているが、筆者の見る所、そもそもバブルとして成立していない様に映る。

2.の選手村内の濃厚接触については、海外選手は競技出場終了後は速やかに帰国する事となっているが、酒池肉林とは言わないまでも、各自の部屋に他者を入れない事や共同スペースでの飲酒禁止等をルール化し監視と強制力で徹底しない限り、活力あふれる生身の若者達を抑える事は無理だろう。

3.の出場停止と訴訟等については、濃厚接触者に関しては対戦相手が認めれば出場可能となるようであるが、それが叶わない選手及び感染選手が、自分達の不注意を棚に上げて、日本側の防疫体制不備に対して訴訟等を起こす事は、海外選手の権利意識の強さから見て十分に考えられるだろう。

以上、敢えてネガティブなスタンスを取り考えてみた。筆者はこれらに対しては性悪説に立った対策が不可欠と考えていたが、五輪が無くとも水際対策や医療キャパ拡充での政府、東京都、医師会のグダグダ、ノロノロぶりを見れば今更大したことは期待できないだろう。

政府や組織委員会等の対応ぶりに、治療薬は無さそうに思える。しかしここに幸いにも、コロナ自体に対しては日本発の「イベルメクチン」が脚光を浴び始めており、正式には未承認ながら国際的な救命救急医師/学者のグループ「FLCCCアライアンス」も、東京五輪での配布を提言している。

当初、橋本聖子組織委員会会長が述べていたワクチンでの「おもてなし」も間に合わない中、このままであれば政権が飛ぶのみならず、中国に代わりコロナの新たな震源地となり、国際的非難の標的となって日本自体が飛びかねない。

筆者の危機感が杞憂に終われば何よりだが、具体策無く臨めばそうはなるまい。日本と世界のために菅首相は最後の蛮勇を奮うべきである。