「あえて感染ピークを作る」コロナ対策は有効か?

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イギリスが「あえて感染ピークを作る」というコロナ対策を取っている、というニュースが出た。

あえて感染ピークを作る…英首相「解除今しかない」

あえて感染ピークを作る…英首相「解除今しかない」
イギリスでは新型コロナ感染が再び急拡大していますが、19日からロックダウンが解除される予定です。 どのような判断があったのでしょうか。テレビ朝日ロンドン支局・大平一郎支局長に聞きます。 (大平一郎支局長報告) イギリスでは15日、5万人近い人の感染が確認されたということです。 日本から見ると、数が非常に多いと感じ...

もう1つ、感染対策の観点からいうと、インフルエンザのシーズンが来る秋までに、あえて感染ピークを作ってしまおうという戦略があります。ワクチン接種と感染による集団免疫の確立が狙いです。(テレビ朝日HPから)

これに似たような考え方を、私は去年アゴラに投稿した。

「Go Toキャンペーン」活用して都会から観光客を呼び込もう

2020年7月16日の記事で、ほぼ1年前のものだ。

地方が永遠に都会からの人を受け入れないつもりなら、「Go Toキャンペーン」に反対して閉鎖状態を作るのは構わないと思う。しかし、いつかは感染が広がって集団免疫が達成されないといけないのであれば、夏のうちにウイルスの流行が起こった方が、被害は少なく済むのだ。

これから1年経っているので、過去を検証することはできる。去年の夏に徹底した移動の制限を行なった東北地方と、それに比べたら緩かった九州地方のデータを比較してみた。

去年7月から9月までの3ヶ月間と、12月から翌年2月までの、九州各県と東北各県の感染者数を比較した。

「倍率」は冬が夏の何倍になったか、という数値である。夏に流行していれば冬の流行を相対的に抑えることができるのか、という観点から計算してみた。九州地方は3.4倍なのに対し、東北地方は9.5倍にもなっている。

この結果だけで「冬の感染を抑えるためには夏の間に感染を広げていた方がいい」と結論づけるのは早すぎる。九州と東北では気候の差も大きい。

しかし、こういう計算もあるということは、考えに入れておいてもいいと、私は結果を見て思った。