バッハ会長が日本人から批判される理由が理解不能

このところの日本人は、島国根性とは何かということを身をもって実践している。しかも日頃リベラルとかいってた人間ほどひどいものだ。私は反日にはなるはずないが、嫌日になりそうだ。まことに恥ずかしい。

ワシントン・ポストは「東京五輪は完全な失敗に向かっているように見える」「五輪招致の理念だった「おもてなし」の精神は後退し、外国人への警戒に取って代わられた」「中国に対抗するアジアの盟主としての地位や、30年間に及ぶ経済停滞からの復活をアピールするチャンスだった」「熱気は不満、無関心、ついには敵意に変わった」といったように報じた。(時事通信・産経新聞など各紙)

トーマス・バッハ会長 NHKより

そうしたなかで、IOCのバッハ会長への罵詈雑言をかなりの知識人でも浴びせて溜飲を下げている。しかし報道で見る限りは、バッハ会長に特段の落ち度があるようにみえない。

バッハは商売人で強欲だといってるが、私のみたところ、バッハは事業としての五輪が成功するように一生懸命だが、日本のほうが、世論がうるさいからと、損得勘定抜きでその場しのぎ繰り返すので、バッハは頭抱えているのだと思う。

イベントをビジネスとして成功させるのはとても大事なことで、ネガティブに視るべきべきことであるまい。

IOCと日本側と共通利益のほうが対立点より遥かに大きい。それなのに、全て利害が対立し、どちらかにとって得なことは、もう一方にとって損な様にいうが、損なことあるはずがない。

少なくとも、昨年来バッハ側は各競技団体、放送局、各国政府や国際機関とけっこう上手に交渉して、日本側を困らしてはいない。

結んだ契約で、損が出た場合には組織委員会が負担する、つまり、一義的には東京都が、もし東京が財政破綻して再建団体にでもなれば、国が助けることになっているが、IOCのような団体が今回のような例外的な状況で出た損害を負担すると云ったって無理であって、ほかの国際的なイベントでもそんなに違わないはずだ。

ただ、IOCは今後の五輪開催について、非常に思い負の遺産を背負うことになるだろうが。

一方日本側といえば、無観客試合がいい例だが、900億円のチケット代払い戻しも、気にすることなく、「世論」を理由にあっさりと巨大損失を顧みずに決めてしまう。そして、VIPの開会式の出席も、来日した場合の皇室や政府首脳による接遇も逃げてしまっている。

ともかく、MMTとかいうようなわけのわからない考え方に逃げ道を見出して、無駄遣いとか、財政赤字とかいうものがこの世には存在しないような気になっているから、バッハだってあきれ果ててるだろう。

少なくともバッハは大会の成功に全力を尽くしているし、WHOとか製薬企業とかとコロナ対策がうまくいくように相当な根回しもしているように見える。バルブ方式など外国人をずいぶんと馬鹿にした話だが、なかなかきちんと対応している。

もちろん、「ビジネス」だから、厳しい交渉を組織委員会とIOCはしなければならないが、バッハ会長が諸悪の根源とか言う話は理解できない。

諸悪の根源は、世論だ医師会だ尾身先生だとかいうのに振り回されて、逃げ回っている我が国の支配者層である。

日本人を中国人と間違ったといった、単なるいい間違いを問題視する狭量な人もいるが、世界からみたら日本人は中国人にコンプレックスをもっているからとしか取られないだろう。なにかその間違いが、本質的な誤解に起因しているのなら、問題にすればいいが、疲れて言い間違ったことがそんな怒ることか。