マイノリティにも配慮したオリンピックを

東京2020オリンピックが始まりました。直前で東京2020オリンピック開閉会式の音楽担当だった小山田圭吾氏の辞任や東京2020オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに参加していた絵本作家のぶみ氏の辞任など紆余曲折があったものの予定通り7月23日(金・祝)の夜に開会式が行われました。

 

開会式の様子 NHKより

東京2020オリンピック ・パラリンピックのビジョンの一つは「多様性と調和」であり、「全ての人が、誰一人取り残されることなく尊重される」となっています。マジョリティ(多数派)もマイノリティ(少数派)も共に参加できる素晴らしいイベントを目指していました。

テレビ中継に手話通訳が映っていない痛恨の事態

ところが、この東京2020オリンピック開会式において、マイノリティである「手話を生活のベースとしている者」に対する配慮が足りていない状況が発生していました。無観客の開会式会場でのオリンピック・スタジアム(国立競技場)で表示されているディスプレイには、手話通訳がワイプで入っていたのですが、多くの方が見ているはずのテレビ中継には手話通訳が映っていなかったのです。非常にもったいないです。

syahrir maulana/iStock

言語的マイノリティにも配慮を

日本では、手話を生活のベースとしている者は約8万人いるとされています。たったの8万人しかいないと思うか、8万人もいると思うかは、人それぞれだと思いますが、「全ての人が、誰一人取り残されることなく尊重される」オリンピックを目指している以上は、なるべく多くの人たちに寄り添うのが大切だと思われます。また、あまり多くの人には知られていないのですが、「日本語」と「日本手話」は文法体系が異なる別の言語であり「日本語」を文字の形で表現する字幕だけだと理解できない人たちが存在しています。「字幕」だけでなく「手話通訳」も映すなど、多様な人々に配慮した放映が必要です。

繰り返し起こる言語的マイノリティに対する配慮不足

この「手話通訳」がテレビに映らなかったのは、これまでも何度か起きており、その度にマイノリティの人たちが声をあげて改善されていたという歴史があります。直近で言えば、国や各自治体の首長によるコロナ会見においても同様なことが起きていました。手話通訳がついていなかったり、ついていてもテレビに手話通訳が映らなかったりしました。その時の教訓が全く活かされていないのは残念なことです。すべてのイベントに携わる人(企画運営・放映など)に言語的マイノリティに対する配慮の必要性を認識していただきたいものです。

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言語的マイノリティに対する配慮の差が現れている日本

なお、東京2020オリンピック開会式を中継した韓国、台湾、カナダなどのテレビでは、しっかりと手話通訳が映り込んでおり、日本との対応の差が現れた形となってしまいました。

東京2020オリンピック開会式は、誠に残念でしたが、東京2020オリンピック閉会式や東京2020パラリンピック開閉会式では、是非とも手話通訳をテレビ放映に含めていただけるよう、心からお願いいたします。