「世田谷一斉PCR終了へ」。読売新聞(8月20日付都内版)が大きく報じた(記事参照)。私はすでに、この“世田谷モデル”の廃止と区のゴマカシについて、ブログで書いているので、詳細はそちらに譲りたい。
“世田谷モデル”廃止へ。今朝(20日)の読売新聞。天下の愚策、税金のムダ。議会で反対してきたのは、我々の会派(無所属・世田谷行革110番・維新)だけ。言った通りになった。 https://t.co/hVX9SMXMKN pic.twitter.com/GHnHVOyZAL
— ひえしま 進(世田谷区議会議員) (@hieshima_susumu) August 19, 2021
記事によると、区はワクチン接種が進んだので役目を終えた、としているが、そもそも役目など果たしていない。以下、本文をそっくり引用する。
区によると、検査対象となる約1500施設の中で、7月18日時点で検査を受けたのは439施設とおよそ3割。区は「定期的に検査を受けることで感染予防の意識も高まる」と呼びかけたが、このうち半数超の244施設は1回しか受けていない。
これまで何度もしつこく指摘してきたように、この体たらくだったのである。この呼びかけなるものに応じる施設はそうそうない。記事は続く。
背景には、感染者が出れば施設が閉鎖に追い込まれて入所者への対応が困難になることに加え、経営面でも打撃を受けるという事業者側の懸念があるとみられる。クラスターが見つかった特養では、運営を続けるために職員を確保する必要に迫られ、系列施設が6日間にわたって休業する事態になった。区の調査に「感染対策を万全にしており、検査を受ける必要性を感じない」と答える事業者も少なくないという。
このことも、私は最初から言ってきたし、普通に想定できたことだった。しかし、保坂区長の肝煎りであったため、何が何でも実施に移された。議会も私たち会派(無所属・世田谷行革110番・維新)の4人以外、45人の全議員が賛成した(議長除く)。その結果、約7億円もの血税がムダになった。当の区長は読売の取材に対して何と言っているか。
「無症状者の検査は賛否もあったが、東京五輪の選手を対象とする同様の仕組みで感染者は最小化された」
(一斉PCR検査によって)「施設関係者の感染を減らし、医療の逼迫を抑える効果はあった」
五輪と“世田谷モデル”は関係ないし、何を根拠に効果があったとするのか。デタラメもいいところである。しっかり議会で追及したい。ちなみに、続行するとしている「随時検査」は、これまで区長が言ってきた“世田谷モデル”とは関係ない。
さて、“世田谷モデル”をやめる理由として、区はワクチン接種の進展を挙げているが、他区にくらべて格段に遅い。これも取って付けた言い訳に過ぎない。つまりは、区長以外の役所の本音は、「早くやめたい」だったに違いない。
私はここ数日、区内の新型コロナのワクチン接種会場を視察しているが、キャンセル分の把握と対応に問題があり、貴重なワクチンが次々と廃棄されている実態がある。希望しても予約が取れないと区民から悲鳴が上がっているにも関わらず、後手後手の対応は許されるものではない。引き続き、早急な改善を強く求めていく。
国会は6月の閉会から長い夏休みに入り、すでに2カ月の空白のままに感染拡大を許している。早急に与野党合意のもとに再稼働して、緊急対策を実施するべきと提言したが、「永田町の常識」は必ずしもそうではない。このまま、9月、10月と抜本的対策のないままの政治か続けば被害は大きく広がる。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) August 19, 2021
区長、まずは国政のことより、世田谷区のことですよ!