興味はなかったのですが、何気で目に入った「中田翔、巨人へ無償トレード」。日ハムで暴力事件を起こし、選手生命を諦めかけていた中田に対し、巨人 原監督が才能をこのままつぶしてはいけない、と同選手を引き取ることにしたのが顛末のようです。日本はバッテン社会とされ一度、履歴にケチがつくと一生、ついて回るとされますが、原監督の心意気は美しさを感じます。再起できる社会、それを支える社会が日本でも育まれたら良いですね。
では今週のつぶやきをお送りします。
弱気相場
弱気相場というのは強弱感が対立しながらもじわじわと株価が下がる中でいよいよ弱気派が大勢を占める状態で、数値的には高値から2割下げたところとされます。日本株は2月高値から8%強の下落にとどまっていますが、個別で見るとソフトバングGが42%下落、ファーストリテイリングも35%とボロボロ。自動車株は一昨日のトヨタの生産台数削減ニュースが響き金曜日の株式市場では自動車関連株は総崩れとなりました。トヨタは高値から14%程度の下落でとどまっていますが、日産は昨日で21%となるなど弱気相場入りに向かっているように見えます。
海外では香港市場が弱気相場入りとなっています。また、話題になっているのがアマゾン株でアナリストが強気一辺倒だったのに株価は高値から15%下落、7-9月の売り上げ見込みは5.5%下落、利益は16%下落見込みで株価は「下がっても上がらないだろう」という展開になっています。アマゾンの場合、カリスマ、ジェフ ベゾス氏が実質抜けているので後継者のアマゾンの指導力発揮には時間がかかると思われます。同じことはアップルもジョブズ亡きあと、あるいはMSのビルゲイツ氏のあとなどそれなりに苦悩はありました。
1-2か月前に私は「指数相場」という表現を使いました。指数に採用される銘柄の動きが全体を表しているように見えるのですが、ダウにしろ日経平均にしろごくわずかの代表的銘柄を加重平均でウェイトをかけるので極端な話、構成銘柄だけのETFを日銀なり年金なりがしこたま買えば指数はいくらでも上がるのです。つまり恣意相場になりうるわけでファーストリテイリングの株価などはそのおもちゃになったのでしょう。マネーは必ず逃げ道を探します。次はどこに向かうのでしょうか?
ズバリ選挙
今週末に注目の横浜市長選があります。有力者ばかり8人が立候補する大激戦で衆議院選を占うともされます。菅総理一押しの小此木八郎氏と立民推薦の山中竹春氏が頭一つ飛び出ているようですが、情勢は山中氏とも囁かれています。当初はIR(統合型リゾート施設誘致)が争点とされたのですが、8名のうち賛成は2人だけとなれば争点はそこになく、現職、林文子氏の芽はなさそうです。仮に小此木氏が落選になれば菅総理のおひざ元が崩れることになり、自民党総裁選の行方が混とんとするのは確実です。
菅総理はインタビューで総裁選に立候補するのは「当然のこと」と述べましたがそれは国政に不安感を与えないためのリップサービスだとみています。仮に立候補しても本気度には疑問符をつけます。というより一部の人、二階氏や安倍氏、小泉氏が推すものの他がだんまりとなっている以上、自民が一枚岩になっていないことは明白です。コロナ対策に関して政府にすべての責任を押し付けるのは無理がありますが、国民はそうはとらないでしょう。
私はいまだに自民を割るべきだと思っています。古い体制支持派と新しい体制支持派とすべきかと思います。若い議員にも力がある人はたくさんいるでしょう。それらの人が埋もれすぎています。一方、小池百合子氏の声がほとんど聞こえなくなっています。個人的には一部で囁かれるサプライズはないと思っています。もっと究極的に落ち込んだ時に「私が救世主になる」と言ってくるはずで勘の鋭い女帝はまだじっくり構える、私はそう睨んでいます。
元徴用工問題 取り立て
元徴用工問題は韓国で三菱重工の賠償命令が確定していますが、その取り立てをどこからするのか、これが問題となっています。数日前、三菱重工の100%子会社、三菱エンジンシステム社がLSエムトロンから業務の代金を受領するにあたり、裁判所がその差し押さえを認めました。ところが代金支払い側のLSエムトロンが「これは三菱エンジンシステムに業務の代金を払うもの。元徴用工の支払いとは別物だ」と主張、裁判所に弁明要求を送ったと報じられています。
この展開は学術的にも興味深い内容だと思います。もちろん韓国の判断基準に普遍性があるとは思っていません。ただ、100%子会社なら裁判で確定した親会社の支払い義務を子会社の一般商取引に伴う代金支払いであっても奪い取ってよいのか、という切り口は新鮮です。個人的にはもちろんダメだと思うし、そういう判断が下ってほしいと思っています。
会社にも人格があります。それを引き合いにすれば例えば親の債務を子が働く給与から同意なく、天引きできるかという話でしょう。それはいくら何でも無謀、こじ付け、暴力的ではないでしょうか?あくまでも韓国の最高裁が下した相手は三菱重工であり、その賠償の本質は三菱重工本体が行うものであります。差し押さえるものがなければ何もないのです。我々の周りでも賠償を取りたくても何も持っていなければゆすってもたかっても逆さにしても小銭すら出てこない話はいくらでもあります。ならばこの徴用工裁判は韓国の情緒法に基づくポピュリズム裁判制度で勝っても実質では得るものなしなのです。日本側は十分な対策をとってきたと信じています。
後記
どうしても気になるのが日本のコロナ状況。根拠はないのですが、日本に隠れコロナ患者が表面化している数をはるかに上回る数で存在している気がするのです。「どうせ、入院もできないし」とせき込みながら自宅で寝込んでいる、あるいは陽性になったといえば周りに迷惑をかける、あとで差別的待遇を受けるといった個人的判断をしている20代から40代で蔓延していませんか?ここにきて日本は思った以上に状況が悪いかもしれないと心配になっています。ロックダウンは現実になるかもしれません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年8月21日の記事より転載させていただきました。