学校にいきたくない、は命のSOS

夏休みが明ける8月終わりから9月初めは、小中高校生の自殺が増加する傾向があります。

私たち大人は、注意深くその変化を観察しなければなりませんが、一体どうすればいいでしょうか。

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自殺に至るまでには、いくつかの要因が絡み合っているといいますが、裏を返せば、そのどこかで誰かが気付き、寄り添い、支えることで防ぐことができるかもしれません。

私たち大人は、まず自分の価値観やあるべき論を捨て去り、子どもが感じていることを一番大切にしたい。

その上で、保護者や家族、学校や地域の連携、あるいはSNSを通じて、複層的にセーフティネットを張っていければと思う次第です。

そのような気持ちで、今日も学校に関するお悩み相談をしたところ、中学校で不登校になり、今は通信制高校に通う生徒が宿題を教えてほしいと来てくれました。

「ニュース感想文」のような内容でしたが、そこで選んだ記事がこちらの記事でした。

不登校新聞編集長の石井志昴さんの記事です。

命絶つ子ども増 夏休み明けは特に注意、異変のサイン見逃さないで #今つらいあなたへ

✔小中高校生の自殺は過去最多ペース
→文科省では「新型コロナによる家庭や学校の環境変化などによる影響」が背景にあると指摘。

✔小中高校生の1/4がにうつ症状
→コロナ禍の「いつまで続くか分からない」不安やストレスはこども達にも大きな影響。

✔「学校へ行きたくない」は命に関わるSOS
→命を守るために、「行きたくない」というサインを見逃さないでほしい。

✔TALKの原則を思い出して対応を

  1. Tell:言葉に出して心配していることを伝える。
  2. Ask:「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる。
  3. Listen:絶望的な気持ちを傾聴する。※決して相手の話をさえぎったり、正論をぶつけたりしない。
  4. Keep safe:安全を確保する。※緊急時に目を離さない。いじめなどは学校へ連絡を。

✔学校へ行かなくても、その先の人生がある
→学校よりも何よりも自分を大切にしてください。

という内容なのですが、これを踏まえて、その生徒の書いた感想文を是非ご覧ください。

私は「命断つ子ども増 夏休み明けは特に注意 異変のサイン見逃さないで #今つらいあなたへ」というニュースに関心があります。小中高校生の自殺者が上半期で234人と過去最多となっています。また、4人に1人の子どもがうつ症状になっています。

とても増えていて悲しいし、減らせることだなと思いました。記事の中では、「学校へ行きたくない」は命に関わるSOSと書いてありました。

私は将来、人の役に立ちたいと思っています。そのために、今、つらいと思っている人の話を聞いたり、体験を話したいです。

自身も今でも学校に行こうとすると、理由はうまく話せないけれど、足がうまく進まないそうです。保護者の方は理解をしつつも、「なんで行きたくないの?」と聞いてしまい、無意識に追い詰めてしまうことを悔やむこともあるそうです。来週日曜日の相談会では、話を聞く側になって手伝ってくれるそうです。

この投稿を見た方にお願いしたいのは、まずは「(理由はよく分からないけれど)学校に行きたくない」はサインだと覚えておいてほしいということです。子どもは大人よりも周囲の変化やストレスを敏感に感じ取る一方で、それに対応していく力が低いものです。

また、私はたまたま学習塾をやっていた経験から不登校の児童生徒と比較的多く接しましたが、

ほとんどの大人にとって、不登校と接する機会はほとんどないと思います。

つまり、親だからといって、正解をもっているわけではありません。

それを教わる機会などありませんから、子どもの気持ちにどう接していいのか分からない、というのはある意味では当然のことです。

そうした保護者の方々も、電話相談などを通じて、寄り添い、支えてくれる存在を探してほしいと思います。

以下に、相談先を記載しておきますので、お気軽にご連絡ください。

◎電話相談/「#いのちSOS」 0120-061-338
◎電話相談/チャイルドライン 0120-99-7777
◎厚生労働省SNS相談まとめサイト:SNS相談窓口について紹介しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sns.html

ただでさえ、心理的に負担の大きいコロナ禍の今、みんなで気負いすぎずに支えあっていける世の中になることを願っています。