綾瀬はるかは有名人だから入院できたわけではない

女優の綾瀬はるか(36)さんが、新型コロナウイルスに感染し、入院したことが賛否を呼んでいる。無事に入院されたことは喜ばしいことのはずだが、一体、どういうことなのか? 本論に入る前に、先ずは事実経過を見ていこう。報道等によると、綾瀬さんは8月20日の夜、微熱があり抗原検査を行い、陰性と判明する。翌日、PCR検査も受けたが再び陰性。症状は治まったかに見えたが、その後、発熱が続いたため、抗原検査をするも陰性との結果が出る。

綾瀬はるかさん
オフィシャルサイトより

しかし、8月26日、再度の抗原検査を行ったところ、新型コロナの陽性反応が出たのである。綾瀬さんは、自宅療養をしていたようだが、肺炎の症状が見られたので、都内の病院に入院したという。現在、病状は回復に向かっているようだ。大事に至らずに本当に良かったが、冒頭に述べたように、綾瀬さんが入院したことに関して非難するコメントがネット上で多数見られた。

例えば、それらは「有名人、著名人、上級国民が好き勝手出来るのは優先的に治療が受けられるからでしょうね」「綾瀬はるかさん大好きですが、今の時期に入院できる事がやはり気になりました」「自宅で入院できずにいる方や、亡くなられた方が大多数いる現実と有名女優という立場で入院できてしまうこの差って何」というものであった。症状が悪化しても、または救急搬送されても入院先が見つからずに自宅療養をせざるを得ない人が多いなか、綾瀬さんは有名人・芸能人だから、入院できたというのだ。

しかし、有名人だから即入院できるというのは誤りである。例えば、コロナに感染したタレントの野々村真(57)さんも、40度近い高熱が出たり、酸素飽和度が一度90にまで下がることがあっても、すぐに入院というわけにはいかなかった。「有名人だから簡単に入院できた」という言説はここからも誤りであることが分かる。また、有名人ではない一般の人でも入院している例もある。「有名人・芸能人だから入院」というのは都市伝説、いや悪質なデマに過ぎないのだ。

では、綾瀬さんはなぜ入院できたのか。推測ではあるが、コンタクトをとった病院の病室(特別室か)がたまたま空いていたのではないか。また、所属事務所(もしくは綾瀬さん)と日頃から懇意にしている病院に入院した可能性もある。それは、「有名人だから入院」ということとはまた別の話であろう。 ネット上で「カネと名誉 それがない一般市民とっては羨ましさと妬ましさが渦巻くのです」とのコメントもあったが、そのようなこと妬んでみたところで始まらない。嫉みの感情などは捨て「大事になる前に入院できて良かった」と手放しで喜ぶことこそ、コロナ禍でギスギスした社会を変える原動力になるのではないか。