オリンピックの女子バスケの決勝進出、パラリンピックの車椅子男子バスケの決勝進出、空前のバスケットボールフィーバーです。まさか日本バスケにこんな時代が来ようとは…感動と選手たちや支援者へのリスペクトでいっぱいです。
さて今回のバスケフィーバーで「まるでSLAM DUNK」的なコメントをよく見ますが、バリバリのスラムダンク世代としては一言物申そうと思います。
バスケットボールの醍醐味に3ポイントシュートがあります。バスケットボールは通常は1ゴール2点ですが、3ポイントラインというゴールから離れた距離からのシュートは1ゴール3点入ります。たかが1点の差されど1点の差なのです。
この3ポイントシュートがスラムダンクの世界の重要な構成要素となっています。天才3ポイントシューターである三井は色々ありましたが、点差のついた状況から追撃の3ポイントを決めまくります。そして全国大会の切符を引き寄せたのも「メガネ君」こと木暮(私のベストオブスラムダンクのキャラクター、何故って?凡人だから!)の3ポイントでした。
その時の相手監督は木暮を選手層の薄いベンチ要員と考えていました。しかし三井の代わりにコートに入った木暮が試合を決めました!相手監督は「アイツも3年間頑張ってきた奴なんだ…侮ってはいけなかった…」と心の中で呟きます。才能のあるなしに関わらず努力の意味を教えてくれる名シーンです。
でもやっぱりこれって漫画でしょ⁉︎
そんな3ポイントがバカスカ入る訳ないじゃん!
ごもっとも
しかし…
現実に起きました!
女子バスケ準々決勝、試合終了15秒前2点ビハインドからの逆転3ポイント!
そして…。
車椅子バスケであんなに3ポイント打つ!?
あんなに決まる?
高校の時放課後お遊びでせっせと3ポイントを練習してた身からしたら、車椅子での3ポイントなんて有り得ん!膝のバネなしに3ポイントラインから届くわけない!
でも日本代表は実際にやってのけた。
ちょっと車椅子バスケの3ポイントには神々しさを感じました。そして何より日本代表は木暮なのです。身長など体格的才能は外国勢には到底敵いません。
しかし日本代表は5年間死ぬほど頑張ったのです。だから、世界一は夢の夢だとの世間の大方の予想を裏切り、快進撃を繰り広げられたのです。
敗北の誤算は女子と車椅子男子の決勝の相手チームのアメリカが侮ってくれなかったことです。バスケ王国アメリカに油断は微塵もありませんでした。アメリカを本気にさせた、そして本気のアメリカは本当に強かった、素晴らしい決勝戦でした。
そんな訳で私は東京2020でスラムダンクの世界を現実に見せてもらいました。どんな実写化にも勝るドラマチックな演出でした(^ ^)
努力は報われる!
夢は叶う!
夢の続きは3年後!
ありがとうございました。
あっ!スラムダンクの主人公の話全くしてない(笑)
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この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ元社長)のブログ「ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」2021年9月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。