高市の率直すぎる発言と河野のパワハラは意味が違う

八幡 和郎

河野太郎のパワハラとか高市早苗のぶっとんだ発言というのを心配する人がいる。ただ、この二つには、根本的な違いがある。

高市の総理にとっては率直すぎる発言は、第一にかなり昔の話でここ数年は極端なことはいってない、第二に高市の物言いは個人を傷つけるものでなかった。

それに対して、河野のパワハラや軽率な決定は、第一に資源エネルギー庁幹部へのパワハラのように最近も改善されていないし、第二に個人を虐めるものがほとんどだ。

これを一緒にするのはおかしい。

高市早苗を極右とかネトウヨとかいう人がいるが、たとえば、靖国を参拝するのは極右なのか?

私は現職総理の靖国参拝に消極的だ。主たる理由は外交上、コストが高すぎるし、中国やアメリカが嫌がることにそれなりにもっともな理由があるからだ。

ただ、そういうコストを承知の上で靖国参拝をするというからといってそれを極右だネトウヨだ歴史修正主義者ということにはならない。靖国参拝はあの戦争の肯定と直結するものでない。

高市早苗が現在提唱されている選択的夫婦別姓提案に反対なら極右、ネトウヨなのか?それもおかしい。

国際化と少子化が進む中で、現在の氏名制度に矛盾が生じているのは事実だし、また、無縁仏が増えている。だが、選択的夫婦別姓はそれらに十分に答える提案とは言えない。単純に中国や韓国のやり方を日本でもできるようにしようといううだけのことでしかない。

もし制度を変えるなら、もっと家族制度全体の見直しを総合的にすべきだし、さらに、中韓だけでなく世界各国の制度に広く視野を持つべき問題だと思う。