会社に頼らず、ずっと続けられる仕事を見つける「3つのポイント」

大企業に就職すれば、定年まで安定した収入が保証される時代は終わりました。これからは、会社に頼ることなく自分自身の価値を磨き、長期的な視点から陳腐化しないキャリアを選択することが極めて重要になります。

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そんなキャリア選択の重要なポイントを3つ考えてみました。

まず、若さを武器にしない仕事を選ぶことです。

若いうちは身体能力の高さや見た目に価値があることで出来る仕事があります。

しかし、例えば肉体労働やアスリートのような仕事は、体力の衰えとともに、市場の評価は下がります。また、芸能の世界でもアイドルのような立ち位置のまま年齢を重ねることは難しく、タレントとしての新しい価値を積み重ねていかなければなりません。

これに対し、年齢を重ねて経験を積むことがプラスになる仕事なら、自分の存在価値を維持することが容易になります。

歌舞伎役者のような伝統芸能の世界では、精進を重ねていくことで、高い評価を得られるようになります。また、金融の世界なら、ファンドマネージャーのような仕事は、運用経験年数が長いほど実績として評価され、価値を持ちます。

2つ目のポイントは、世の中にいつも必要とされる仕事を選ぶことです。

衣食住のような人間の生活の基本になる分野、命を守る仕事や、健康を維持向上される仕事、あるいは教育やお金に関わる仕事は、いつの時代にも求める人が絶えることなく、ニーズがあります。

一時のブームに終わる仕事ではなく、生活の根本に関わる仕事を見つけられれば、業態が変わることはあったとしても、10年後20年後にも変化に対応しながら続けられるようになるのです。

3つ目のポイントは、自分にしか提供出来ない希少性のある仕事を選ぶことです。

誰にでもできる仕事は参入する人が多く、供給過剰になりやすく、需要と供給の関係が崩れ、最終的には価格競争に入ってしまいます。

自分しかできない仕事の分野を確立できれば、競争相手のいないブルーオーシャンを作ることができ、価格競争しなくて良いのです。

上記の3つのポイントが全て満たされる仕事を見つけるのは、簡単ではありません。

しかし、キャリア形成に関しては長期的な戦略を立て、そこに向かって自分が何ができるかを考えるアプローチをしていくことは、これからますます重要になると思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年9月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。