ひるおびの共産党のコメントは、当たらずとも遠からず

民主党は黒歴史を払拭するために解党、新党設立を繰り返した。共産党もそうされたら如何?

アンチ共産党の方々からすれば、共産党の黒歴史は共産党を叩く絶好の材料だろう。

志位委員長、小池書記局長(共産党HPより)

個々の共産党の国会議員の方々の活動ぶりを見ていると、なかなかよくやっているな、と思うことが多いのだが、共産党の過去の歴史を学ぶと、どうしても共産党とは一線を画したくなる。

さっさと新生共産党とでも名乗ればいいと思うのだが、長年共産党を支えて来られた方々は共産党という名前を簡単には捨て去る気にはなれないのかも知れない。

今の共産党には牙がないはずだと思っているが、官僚主義や教条主義が蔓延ると、あっという間にまったく別の政党に変身してしまいそうなところがどうも心配である。

少なくとも、黒歴史とは袂を分かった方がいい。

そういう意味では、共産党と一線を画そうとしている国民民主党は悪くない。

共産党は、「敵の出方論」を放棄したのか、それとも当面封印しただけなのか

ひるおびという番組でのコメンテーターの発言が物議を醸して、共産党がテレビ局に抗議と謝罪要求をして、テレビ局がこれに応じた、という報道があった。

当該コメンテーターの発言が不正確だったという一面はあるが、当該コメンテーターが共産党の活動に対して懸念を表明したこと自体が番組から降板しなければならないほどの重大な過誤であったと言えるかどうかは、疑問である。

私がよく存じ上げている政治評論家・元弁護士の加藤成一氏は、かつてアゴラに次のような一文(要旨のみ抜粋)を寄稿していた。

政権を取ったら怖い?日本共産党 加藤成一 8月3日アゴラ掲載

日本共産党は党規約2条でマルクス・レーニン主義(「科学的社会主義」)を党の理論的基礎とし、改定党綱領の五で「社会主義をめざす権力をつくり、生産手段を社会化して、社会主義・共産主義社会へ進む」としているから、社会主義・共産主義革命を目指す「社会主義・共産主義政党」であることは明らかである。
(中略)
日本共産党が立脚するマルクス・レーニン主義(「科学的社会主義」)の核心は、レーニンによれば、暴力革命とプロレタリアート独裁であり(レーニン著「国家と革命」レーニン全集25巻432頁。445頁参照)、前記改定党綱領五の「社会主義をめざす権力」とはプロレタリアート独裁のことである。共産党は党綱領でプロレタリアート独裁を容認しているのである。
プロレタリアート独裁とは、レーニンによれば、「共産主義革命を実現するため、革命に反対する抑圧者、搾取者、資本家の反抗を暴力で抑圧する労働者階級の権力であり、暴力のあるところに自由も民主主義もない。」(レーニン著「前掲書」499頁参照)とされ、その実態は共産党の一党独裁である。

日本共産党の理論面での最高指導者である不破哲三同党付属社会科学研究所所長も、「社会主義日本では労働者階級の権力、すなわちプロレタリアート独裁が樹立されなければならない。」(不破哲三著「人民的議会主義」241頁参照)と述べている。
(中略)
日本共産党は1950年に勃発した朝鮮戦争を契機に、その後方攪乱として、以後数年間、火炎瓶闘争、交番襲撃、山村工作隊、中核自衛隊など暴力革命路線をとった(兵本達吉著「共産党の黒い履歴書」月刊WILL2016年5月号36頁参照)。

また、日本共産党は、「革命が平和的か暴力的かは敵の出方による」という、いわゆる「敵の出方論」を放棄していない(不破哲三著「前掲書」244頁参照)。」

現在の共産党は、不破哲三氏の「敵の出方論」については一切口を噤んでいるようだが、だからと言って不破哲三氏の「敵の出方論」を放棄したという話は寡聞にして聞いたことはない。

テレビ局を巻き込んでの大騒動になっているようだから、この際共産党としての正式な見解を聞いてみたいものである。

ひるおびのコメンテーターの方のコメントは、どうやら当たらずとも遠からず、だったようである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年9月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。