山火事理論について

ワクチン接種率が上がったのでピークアウトしたという主張を叩きのめす山火事理論について(永江説昇華版)

ピークアウトの理由が言えないのに適当なことをいう専門家たち

全員ではありません。

しっかりと分からないものは分からないという専門家。こういう人は信頼できます。「人流を減らせば感染拡大は収束する」というなんの根拠もない古い考え方ではもう説明が付かないのです。

ところがまたまた東京医師会会長は

今回の収束は若者の行動変容です

ともいいだしました。さすがイベルメクチン信者です。データが分かりません。

「やはり実感として(若い世代に)かなり怖いっていうことがかなり浸透してる。外出したとしても、飲食はともにしないとか、そういった行動変容は私はかなり起きてるんじゃないかと」

ほーう。いつから行動変容が起きて、それでこんなに激減したというんだ?

東京の発症ピークは8/10前後。潜伏期間はデルタで4日だから8/6あたりから急に若者が家に籠もるようになった? なんでそんな馬鹿なことが言えるのか謎すぎる・・・・。若者が多い街といえば渋谷だが、わたしの目には8/5あたりから渋谷の人出が増えているようにしか見えない。


まあ、東京医師会会長は口からでまかせをいっているのがこれでわかるのですが、大半の専門家も人流が増えているのに急速に収束しているのでしどろもどろです。なのにそのあと、「気を緩めるとリバウンド」といってますので全く整合性がとれていません。ww

それにくわえて出てきたのが「ワクチン効果が出ているから」です。そもそもワクチン効果で収束したのなら今後は気が緩もうが関係ないでしょ。それなのにに「いまもっと減らしておけば第6波はこない」とまで言い出すトンデモ専門家までいてほとんとに漫才のようになっています。ワクチンのおかげで減ったのならもっと減らしておくなんて人為的なことはできない。波が来なくなった国は世界で一国もないのにどうしてそれが可能と言い切れるのか、もはや科学ではなくて宗教の域です。

このピークアウトを完全に説明できる仮説を持つのは、医者では元自衛隊の防疫の専門家だった中村ゆきつぐ先生のみです。中村先生は自衛隊時代からの防疫の専門家で、そういう意味では研究室に籠もっている専門家とはまったく違う、文字通りの実戦派です。わたしの山火事仮説を専門家としてブラッシュアップして理論にして頂きました。これで「素人が何言ってる」とは言われませんね。

出口戦略としてのワクチン・検査パッケージ あくまでも大火事起こす前にぼやで消せる体制作りが条件

地上波のテレビ局もピークアウトを説明できない専門家より、第5波までをすべて説明できる中村先生に出演を依頼した方が良いです。

ワクチンの効果はないとは言わないがそれではまったく説明が付かない


いやもう、素人でも思いつきませんよ、岩田プロ・・・・

東京都は年代別の新規陽性出しているのでこれで見てみましょう。
昨日

ピーク時の8/13
5773人の年代別は、10歳未満が276人、10代が526人、20代が1810人、30代が1189人、40代が955人、50代が689人、60代が188人、70代が76人、80代が50人、90代が14人です。

年代別の減少率を見てみますね
10代未満 276 → 94人  66%減
10代  526人 → 80人 85%減
20代  1810人 → 259人 86%減
30代  1189人 → 198人 83%減
40代  955人→ 955人 82%減
50代 689人 → 114人 83.5%減
60代 188人 → 38人 80%減
70代 76人 → 26人 66%減
80代 50人 → 22人 56%減
90代 14人 → 5人 64%減

そもそもピークの8/13のときのワクチン接種率を見てみます。2回目から抗体ができるのには1週間かかるとして8/7のデータがこちら

そして昨日の1週間前のデータはこちら

ワクチンの2回接種の増減率をさっきの増減比に重ねます。

10代未満 276 → 94人  66%減  △0
10代  526人 → 80人 85%減 △11.8
20代  1810人 → 259人 86%減 △17
30代  1189人 → 198人 83%減 △17.8
40代  955人→ 955人 82%減 △20.9
50代 689人 → 114人 83.5%減 △23.4
60代 188人 → 38人 80%減 △10.8
70代 76人 → 26人 66%減 △6.8

80代 50人 → 22人 56%減
90代 14人 → 5人 64%減   このふたつは80代以上でまとめられていて5%前後しか増加していません。

ここから言えること

1 ワクチン接種に関係ない10代未満が66%も減った
2 ワクチン接種率の低い10~20代がもっとも減少した
3 そもそもワクチン接種率が4~6%なのに20~30代はピークアウト
4 9/7になっても20~30代のワクチンはまだ20%台

で、若年層の急激な収束がワクチンのせいとするのは相当に無理があります。つまり

ワクチンの接種は収束の一因ではあったが
主要な要因ではあり得ない

という結論になると思います。

山火事理論で一発で説明が付きます

第1波から第5波まで、中村先生の山火事理論ではこうなります。

人流抑制は感染者数を減らすことにおいて初期は有効。ただ感染爆発が起きてしまったら、人流の増減関係なく、燃え尽きることで周りに弱いながらの自然感染免疫ができて(ワクチン免疫もあり)収束する。結果、一過性の集団免疫のような状態(正確にはには外見だけ)になるが、長時間は持続せず、残った感染していない人、徐々に免疫が低下していった人、またウイルスの感染力が強くなった時に新たな波が生じる。

Byronsdad/iStock

感染のごく初期には「山に火を持ち込まない」ということで山火事の拡大を防止できる。また、火の付いた木をとなりの山に持ち込まないことで広がりを防止できる(NZや台湾)

しかしいったん着火するとそこに火の付いた木を持ち込もうが持ち込まないでおこうが関係なく火は燃え広がる。こうなったら人流は関係ない。山火事の中にいること(ステイホーム)で家庭内感染も広がる。人間は生きていくために全く外出しないというわけにはいかない。

人口密度が高い地域では燃焼効率が高いため早く燃え広がり早く終わる・・・・東京、大阪はいつも先に始まり先に終わる

木の中には燃えにくい木と燃えやすい木があり、燃えやすい木から燃え、燃えやすい木が燃え尽きると燃焼効率が悪くなって一気に鎮火に向かう(ピークアウト)

火種(ウイルス)はなくならず、時間経過で免疫が弱まったり、変異により感染力が強まったときに感染爆発する。

中村先生の山火事理論で大事な事は

いつかまた全体の免疫が低下してきます。その時に高齢者含めたリスクの高い人への3回目接種をしっかり行えば、それこそGoToしても大丈夫かなと感じています。(マスク、手洗い、換気、3密対策はしばらくは継続が望ましい)

燃えにくい木を増やして、しばらくは木の間隔を開けるなどする

ということになりますね。
今月末の東京都のワクチン接種予測です。

今月末までに
40代の6割
50代の7割
60代の8割
がワクチンの2回目接種を終わります。

おそらく10月下旬くらいからの第6波には、このペースなら50代以上の85%が2回接種済みとなる。重症者数は第5波よりかなり少なくなるはずだ。計算上は半減するだろう。8/1には50代の接種率 44.1%、40代はたった31.8%だった。後の心配は医療関係者と接種の早かった高齢者の抗体価の低下です。副反応の弱い国産のブースター用のワクチンが早く出てこないかなと思っています。とにかく経済を回さないともう日本は終わってしまう。一刻の猶予もないと思っています。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年9月15の記事より転載させていただきました。