mRNAワクチンの改良型の可能性と感染増強抗体

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大阪大学の論文で、mRNAワクチンの改良型の可能性について記述されていました。以下に引用してみます。

感染増強抗体の認識部位は現行のワクチン抗原にも含まれている。従って、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン抗原を開発することが望ましい。本研究で明らかになった感染増強抗体の認識部位を改変することで、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発が可能になると期待される。

一言で言いますと、ADE(抗体依存性感染増強)を起こさないワクチンの開発ができる可能性があるということです。

この論文の要点を列記してみます。

  1. 新型コロナに感染すると、中和抗体と感染増強抗体が産生される。
  2. ワクチンを接種すると、中和抗体とともに感染増強抗体が産生される可能性が高い。
  3. 十分量の中和抗体があると、感染増強抗体の影響はない。
  4. 感染増強抗体がスパイク蛋白質のどの部位に結合するか判明した。
  5. その結合部位は、現在のワクチンの抗原に含まれている。
  6. その結合部位をワクチンの抗原より除去すれば、感染増強抗体を産生しないワクチンが作れるかもしれない。

現時点で、ワクチン接種によるADEの報告はありません。したがって、今回発見された感染増強抗体のことは、現時点ではあまり気にする必要はないかもしれません。ただし、新しい変異株に対する影響は誰にもわかりません。感染増強抗体を産生しないワクチンが作れる可能性があるのであれば、そのワクチンの接種が望ましいのは確かです。

高齢者、基礎疾患を有する人、肥満者のワクチン接種には賛成です。一方、若年者、特に10代の人の接種には、私は全面的に賛成はできません。理由としては、心筋炎のリスク、長期的副反応が不明などがありますが、今後mRNAワクチンが改良される可能性があることも重要な理由の一つです。ワクチンの抗原の範囲を絞ることにより、副反応の少ないmRNAワクチンが作られる可能性もあります。mRNAワクチン以外の優れたワクチンが開発される可能性もあります。変異株に、より有効なワクチンが作られるかもしれません。ただし、実用化の時期の予測は困難です。

最終的には、本人が親と相談して決めればよいことです。家族の誰も接種しないのは少し問題ですが、「親は接種あり、子供は接種なし」は、容認されるべきと、私は思います。