高市さんと野田さんが盛り上げる自民党総裁選
高市さんと野田さんの場合は、女を上げた、と言うべきだろうか。
少なくともネットの世界では高市さんのフアンが急増しているようで、応援に力が入り過ぎて自民党の総裁選に立候補者の方々に対して罵詈雑言、誹謗中傷に近い言辞を弄する人が何人も現れているようである。
高市早苗さんは、そういう方々の高市票は要らない、と明言された。
自民党の中で長年にわたって要職を務めて来られただけのことはある。
過激な物言いをするのは、どうも自民党には所属していない方々のようで、自民党が元々懐が広い政党で、多様な価値観、多様な政治的欲求を持った方々の実に緩い政治的結合体であることにおよそ理解がなさそうだ。
自分と政治的な見解や立場を異にしていると、すぐ相手を敵扱いをして攻撃してしまう。
まあ、こういう人を相手にすると実に厄介なのだが、今回の自民党総裁選ではそういう人があちらこちらから湧いて出てしまったようだ。
こういう人と同類扱いされてしまっては困る、ということで、高市さんは件のメッセージを発信されたのだろう。
これで高市さんの女が益々上がった。
野田さんもグングン女を上げている。
ほう、ここまで言い切れるのか、と思うくらいにズバッとご自分の意見を言っておられる。
これまで十分声を上げることが出来なかった方々の代弁者の役割をしっかり務めておられる。
野田さんの発言を聞いて胸がすく思いをされた方も多いだろう。
高市さん、野田さんは、政治の世界で女性が活躍する道を切り開いている先駆者たちである。
総裁選の結果がどうなろうと、引き続き政治の世界で重要なポジションを占められることは間違いない。
まあ、その場限りの勇ましい物言いは止めておきましょう
嘘を吐かないで済むのは、野田さんと河野太郎氏の二人だろう。
野田さんの場合は、天と地が引っ繰りかえっても自民党の総裁にはなれないだろうから、総理大臣のポストは回ってこない。
どんな主張をしても公約違反だ、嘘を吐いたなどと批判される立場にはならないだろうから、今回は個人的見解を最後まで貫き通せるだろう。
責任のない野党の皆さんと同じようなものだ。
河野太郎氏は、嘘を吐かないで済むように、自分で出来る範囲のことしか今は言わないようにしているから、如何にも持論を封印しているように見えて、発言にキレがないように見えることもあるが、これはこれでいいはずだ。
岸田さんは、10年間消費税を凍結する、と言い切ってしまったので、財政破綻が表面化した時に手足が縛られることになってしまうだろう。
高市早苗さんは、如何にもタカ派らしく敵基地攻撃能力やミサイル配備に言及し、さらには拉致問題解決や靖国参拝を高言してしまったために、外交や安全保障の面で反って行動範囲が狭められ、ひいては国際的緊張を招きかねない。
余りにも勇まし過ぎる。
党内にはこんな意見もある、くらいに国際交渉の場で牽制材料にするくらいならいいが、これで日本の総理になってしまったら、日本は結構辛い立場に追い込まれそうだ。
自民党の有力議員がそういうことを主張している、というくらいなら、ある程度柔軟に対処出来るだろうが、総理自らがそういう立場を表明したら、抜き差しならないことにもなりかねない。
何だか危なっかしいことになりそうだな、と実は危惧している。
日本は、あまり背伸びしない方がいい。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年9月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。