ノーサイドに相応しい役員人事、閣僚人事を考えてみる
和を以て貴しとなす、というのが岸田さんの政治哲学だろうと思っている。
総裁選が終わった直後に、総裁就任の挨拶で、あえてノーサイドと表明されたのだから、岸田さんは本当にノーサイドを貫かれるだろうと思っている。
総裁選に立候補された他の候補を役員人事や閣僚人事で重用されると思うが、しかし過度の配慮はお止めになった方がいい。
官房長官候補に高市早苗さんを推す向きがあるが、高市早苗さんには女房役は向いていないように思われるので、ここは岸田派の中で最も人当たりのよさそうな、実直で決して岸田さんの足を引っ張りそうにない方を登用されるのがいいだろう。
党の幹事長に甘利さんや野田さんを推す向きもあるようだが、甘利さんは如何にも河野太郎氏の敵役のような趣があるので、融和を求められるのならお止めになった方がいい。
現在幹事長代行の役職を務められている野田さんを幹事長にお願いするのも一つの案ではあるが、野田さんだと党の中で色々ハレーションが起きそうなので、まあ、これもお止めになった方がいいだろう。
党の役員人事も閣僚の人事も相当知恵を絞られる必要がある。
まずは、直近の衆議院選挙で自民党がそこそこの成績を収める必要がある。
自民党内に生じた亀裂を出来るだけ速やかに修復することが出来るような懐の深い幹事長を選ばれることである。
これに成功すれば、少なくともこれから3年間は岸田政権の足元は強固になる。
さて、どういう方々の名前が挙がるのだろうか。
楽しみではある。
日本の政治の活性化を齎した菅総理の総裁選不出馬表明と4人の候補者による自民党総裁選の実施
自民党総裁選の投票日を迎えた。
小泉純一郎総裁・総理を誕生させた当時の熱狂的な雰囲気はないが、久方ぶりに日本の政治に対する国民の関心を高めることになった総裁選である。
河野太郎氏の個人的人気が圧倒的ではなかったので、総裁選そのものは混沌としてしまったが、自民党の総裁選についての国民の認識は相当深まったのではないだろうか。
自民党の党員は現時点で100万人余りで、国民の1パーセントでしかないとのことだが、その国民の1パーセント程度の党員と自民党所属の国会議員が事実上日本の総理大臣となる自民党の総裁を選ぶのだから、この1パーセント程度の人たちの選択は実に重要である。
各種利益団体を通じて自民党の党員になっている人の割合が結構低くなっているようで、そういう意味では自民党の党員投票は一種、国民投票的な色彩を帯びている。
自民党の国会議員のところにはあちらこちらから自民党に入党して自民党の総裁選で1票を投じたいという申し込みが来ているようだから、今回の自民党総裁選がある程度国民の政治参加意欲を掻き立てている面もあるようである。
日本の総理大臣を実質的に決める自民党の総裁選だということが明確になれば、総裁選に参加するために自民党の党員になりたいと願う人たちが現れてくるのは自然である。
政治が国民に身近な存在に変貌しようとしている。
誰でも自民党への入党を認められるわけではないが、ほどほどに穏健な生活を過ごされている方々なら然るべき紹介者があれば、自民党に入党が認められるはずである。
そういう希望なり願望を持っておられる方が全国にどの程度おられるか分からないが、数万あるいは数十万おられれば、自民党を中から変えることも不可能ではない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年9月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。