地方に行くと見えてくる「日本の未来」

鳥取、島根と山陰の温泉巡りをしてみて感じたことは、地方には東京では当たり前に存在する便利なものが無いという現実です。

鳥取のとある温泉地の最寄りのJRの駅周辺には、カフェがありませんでした。列車の発車までに1時間近く、時間を潰せる場所がありません。幸い、コンビニはあったので、コーヒーを買って駅のベンチに座って列車の到着を待ちました。

東京であれば、ほとんどの駅にはスタバやドトールといったコーヒーショップがあって、いつでも気軽に利用できるのが当たり前です。運転本数が少なく列車の待ち時間が長い駅なのに、待っている場所が無いのは不便です。しかし、これは東京が便利過ぎるだけの話なのかもしれません。

また、何回か利用したJR西日本の列車には、車内販売が一切ありませんでした。新幹線で名古屋や大阪に行く時には、当たり前のように利用しているのですが、これもあって当然と思ってはいけないことを知りました。

自動販売機が設置されている列車もありましたが、それさえ無い場合は長距離の移動に備えて、ミネラルウォーターなどを予め準備しておかなければなりません。

東京に戻る際に利用した寝台列車「サンライズ出雲」も出雲市から東京まで12時間という長距離長時間にも関わらず、車内販売はありませんでした。自動販売機は設置してあったようですが、アルコール類や食べ物などは、予め買ってから乗らないといけません。

日本の地方に行くと感じる東京との違いは、今後他の地域にも次々と広がり、日本全体が変わっていくことになるでしょう。

駅前のカフェは利用者が少なくなれば消えていき、列車の乗客が減れば運転本数も減って利便性が下がっていきます。人口減少によってインフラがスパイラル的に衰退していくのです。

人口減少が進む日本の地方は、日本の未来を先行して「見える化」してくれる存在です。もしかしたら、数十年後の東京23区も例外ではないかもしれません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年10月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。