サッカーで社会課題を解決する方法

サッカーと、社会課題解決

埼玉スタジアムでのサッカーW杯最終予選、日本はオーストラリアとの激戦を制し、カタール本戦出場への希望を残しました。

埼玉スタジアム2002 Wikipediaより

この埼玉スタジアムを本拠地にする浦和レッズさんとは、休眠預金を活用した社会貢献事業でRCFはご一緒しています。一週間前もお邪魔し、ルヴァンカップ準決勝のセレッソ大阪戦も観戦しました。

今年、RCFでは浦和レッズさん含め、7つのプロスポーツクラブと事業を進めています。

【共同発表:プレスリリース】スポーツクラブによるコロナ緊急支援事業(休眠預金等活用事業 2020年度緊急枠) | RCF
このたび、本事業に取り組むJリーグ・B.LEAGUEの各スポーツクラブとRCFの連名による共同のプレスリリースを発信いたします。詳しくは以下をご覧ください。

概要を紹介したいと思います。

7つのクラブとの社会事業

浦和レッドダイヤモンズ: さいたま市内の子ども食堂に通う児童・家族を対象に、スポーツを通じた心身・精神的なケアプログラムと、子ども食堂への支援物資のデリバリープログラムを実施

このゆびとまれっず! | URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE
浦和レッドダイヤモンズの公式サイトです。ニュース・試合日程・チケット情報などを掲載しております。今後もファンの皆様に親しまれるWEBサイトを目指してまいります。

AC長野パルセイロ: コロナ禍で打撃を受けた飲食店・農家が参加するイベントを実施。またクラブのECサイト「パルシェ」上で農家の販売チャネルを確立

FC琉球: 県産品を活用した応援弁当とアスリートレシピを企画開発。クラブのオウンドメディアを通じて、県産品の課題を県民に周知。子ども食堂に通う子ども達にも応援弁当を配布

FC琉球とイオンが県産品活用し子ども支援  弁当販売、配布も
FC琉球とイオンが県産品活用し子ども支援  弁当販売、配布も - 琉球新報デジタル

秋田ノーザンハピネッツ: 秋田県内初、プロスポーツチーム初の常設子ども食堂を新設。困窮家庭への子どものアクセスと、福祉サービスへの接続を図る

ハピネッツ、常設の子ども食堂開設へ:朝日新聞デジタル
 プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の秋田ノーザンハピネッツが10月にも、秋田市内に常設の子ども食堂を新設する。地域の子どもたちと、ひとり親家庭の家族に無料で食事を提供。クラブの選手やスタッフも…

川崎ブレイブサンダース: 居場所を十分確保できない子ども達への拠点を提供。またバスケスクールの無償スカラシップを通じて、バスケットボールにふれる機会を提供

バスケットボールスクール スカラシップ制度 開始のお知らせ
SDGsプロジェクト「&ONE」の施策の一環として、小学生を対象とするバスケットボールスクールへのスカラシップ制度の開始を決定いたしましたのでお知らせいたします。

京都ハンナリーズ: 京都市内での子ども宅食事業を市内別地域に横展開。オウンドメディアを通じて課題の可視化と子ども宅食事業の紹介・発信を行う

熊本ヴォルターズ: ひとり親家庭の子どもを対象に、日帰り体験プログラムを実施。食育、バスケ体験、選手による夢授業などを通じて、子どもの孤独感の軽減とコミュニケーション増加を図る

休眠預金を活用したコロナ緊急支援事業を開始します
いつも熊本ヴォルターズを熱く応援いただきありがとうございます。このたび、休眠預金を財源とする「スポーツクラブによるコロナ緊急支援事業

スポーツクラブと選手の地域での影響力を活かし、コロナで苦しむ子ども達や飲食店、農家を支える取り組みができつつあると、ご理解いただけると思います。

プロスポーツが社会貢献を行う意義とは

子どもたちや飲食店の困難は、まず行政が対応します。しかし支援制度があっても、申請主義であるためになかなか使われなかったり、公平平等を重視するあまり深い支援ができません。
個別に対応する取り組みは、NPOが行います。ただ国内NPOも発展途上。地域に数百人以上の課題を抱える子どもたちがいても、数十人程度しかカバーできない現実があります。
スポーツクラブは、そうした狭間を埋める役割を持ち得ると考えています。まずは地域での知名度と発信力。彼らが発信することによってメディアも動き、地域のひとり親世帯や、困ったお店や農家の皆さんに支援を届けることができます。また、行政や地域の有力企業とのつながりもNPO以上にありますから、いわゆるコレクティブインパクト(協働型の社会課題解決)を生むことが容易です。

スポーツクラブが社会課題解決の主要プレイヤーへ

今回の休眠預金事業では、3つのJクラブ、4つのBクラブとご一緒していますが、申請段階では、23のプロスポーツクラブが応募頂いておりました。

スポーツクラブによるコロナ緊急支援事業 応募団体の公開 | RCF
4月8日~4月28日にかけてスポーツクラブによるコロナ緊急支援事業(休眠預金等活用事業 2020年度緊急支援枠)における実行団体を公募した結果、以下24件の応募を頂きました。

また私自身、Jリーグの社会貢献を主にみる社外理事を仰せつかっていますし、Bリーグの経営企画の皆さんとも地域での事業について議論を重ねています。

今回の7つの社会事業が発展するとともに、JリーグやBリーグを通じて、さらに多くのスポーツクラブが新たな社会事業を生み出すようになることを願っています。

昨日は、久々にサッカーをみて気持ちを熱くした方も多かったと思います。こうしたスポーツが社会課題解決を担おうとしていることも、ぜひ知って頂ければと思います。


編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2021年10月13日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。