衆議院議員選挙を控え、各党の選挙公約が出そろいました。
日本経済新聞によれば、給付金、原発、選択的夫婦別姓が争点になるとしています(図表も同紙から)。
給付金に関しては支給金額こそ異なるものの、どの党も支給ありきで、それによってどのような経済的効果があるのかといった議論は見えてきません。
単なる選挙目的の人気取りで、給付をすれば支持が得られると政治家が考えているとすれば、国民は舐められていることになります。
給付金の原資は税金であり、最終的にはもらったお金を自分たちで用立てしなければならないからです。10万円もらって貯金しているだけなら、お金がグルグル回りしているだけで、配布にかかる手間とコストが無駄になるだけです。
実際、前回の現金10万円の給付の際は、平均貯蓄率が急上昇する結果になりました。受け取った思惑通りに消費には回らず、経済活動の活性化にはつながりませんでした。むしろ、交付手続きの際の自治体の現場の混乱、そして手続きにかかる莫大なコストというデメリットの方が大きかったと言えます。
今回議論すべきは、交付の金額や対象だけではなく、その方法です。前回の経験から現金で給付するのでは、目的を達成することができない事は明白ですから、別の方法を工夫しなければなりません。
例えば、ネット上で提案されているような、マイナポイントを使って期限を決めて電子的に支給する方法であれば、使わざるをえなくなります。
購入可能な対象を限定すれば、飲食店や観光施設に消費需要を回すように誘導することが可能です。
またマイナンバーカードの普及を一気に加速させる契機にできるメリットもあります。
岸田首相はこのような方法に前向きだと報じられていますが、各党も金額や給付対象だけではなく、どのような方法で給付金を分配するのか明確にして欲しいと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年10月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。