NHKのクローズアップ現代+で接種後死亡者の特集が組まれました。テレビでは、これまで不自然なほど接種後死亡者の問題について報道してきませんでした。国民のなかには、この問題に疑問を抱いている人がいるのは確かであり、NHKも、やっと重い腰を上げたのかという感じです。
放送された内容について簡単に、ご紹介します。
・個別の死亡症例においては、病理解剖したとしても、因果関係を判断することは困難である。
・ワクチン接種群と非接種群とにおいて、死亡率や発病率を統計的に調べることが重要である。
・日本のデータ収集方法には問題があり、アメリカのVSDと同等のシステムを開発するべきである。
概ね同意です。私も、似たような趣旨の発言を繰り返してきました。
アメリカのVSDでは、ワクチン接種群と非接種群の「特定の疾患の死亡率と発病率」を統計的に比較することが可能なようです。ただし、その疾患の死亡や発病の発生確率が低い時には、統計的有意差が生じない場合があることには注意が必要です。このことは、以前の解説で指摘しました。有意差がない場合には、因果関係なしという結論にはならず、因果関係は不明としか言えません。有意差なしの場合は、偶発性の検証も同時に行うべきです。
アメリカのVSDで特定の疾患の死亡率や発病率で有意差なしと判明した場合でも、日本でも同様に有意差なしとなるかどうかは、実際に調べてみないとわかりません。日本とアメリカでは新型コロナ感染症の死亡率や感染率には大きな差があり、免疫の状態に何らかの差異があることが推測されています。免疫に差異があれば、副反応の発生確率に差異が生じる可能性は十分にあります。したがって、日本版VSDは必須です。
12月~来年1月に、ブースター接種が始まりそうですが、それまでに簡易なシステムでもよいですので、何か考案してほしいものです。最低限、接種後2週間以内の死亡例の報告を義務化するべきです。その場合、病院の医師の負担にならないように、医療事務員でも報告可能な項目に限定するとよいと思います。具体的には、年齢、性別、主病名、死亡日、入院日、ワクチン接種日、接種回数などの項目です。システム開発が間に合わないのであれば、病院事務員に週末にデータをまとめて厚労省へFAXしてもらえばよいと思います。
懸念が一つあります。入院者に家族がいる場合は、接種の有無と接種日を確認することができますが、意識不明の重体で一人暮らしの人の場合は、接種情報を確認するのが困難という点です。病院の事務員が、厚労省のデータベースより入院者の接種情報を取得できるシステムが必要です。接種情報が不明というケースは、あまり多くはないと考えられますので、FAXで厚労省の担当部署に依頼して確認するのも一案です。
報告の義務化以外で、比較的簡単に実現可能なこととしては、マイナンバーを利用した集計です。役所に届けた死亡届の死亡日と、マイナンバーに紐付けされた接種日より、接種から死亡までの日数を調べれば、偶発性の検証が可能となります。詳細は、以前の解説を見てください。
この分析でも、一つ懸念があります。死亡届を管理しているデータベースが地方自治体によりバラバラで、厚労省から一括して検索できない可能性があるという疑念です。日本の場合は、いかにも有りそうな話です。デジタル庁もできたことですし、もし一括して検索できないようなシステムならば、今後のためにも、検索が容易なシステムに一新してほしいと、私は切に願います。
ブースター接種まで、もうあまり時間がありません。システムがないことを言い訳にせず、国民の疑念を晴らすために、今できることを堅実に実行してほしいと、私は思います。