参議院補欠選挙を受けて:どうやら、尋常ならざる選挙になりそうだ

どうやら、尋常ならざる選挙になりそうだ

まあ、選対の皆さんはそれなりの覚悟をしておられると思うが、最悪の事態を想定して備えをするのが危機管理の要諦であることは、万国共通のことだろうと思う。

早速それが問われるような状況がやって来る。

まさかと思うような事態ではあるが、やはり衆議院選挙の投開票日の1週間前に参議院補欠選挙の投開票日が来るような選挙スケジュールを書いてしまったことが失態だろう。

自民党の勢いは、先月の総裁選がピークだった、ということになりそうである。

まあ、さすがに今日の状況はどなたにも読めなかったのだろうが、問題はこの窮地からどうやって抜け出すかである。

選挙の神様がやはり求められているのではないか。

今回の衆議院選挙を通じての自民党の選挙の顔は、安倍さんと菅さんの二人かも知れない

燃えない選挙だと言われている今回の衆議院選挙だが、やはり聴衆動員力がある自民党の選挙の顔は、今回は、安倍さん、菅さんのお二人のようだ。

選挙の顔にはならないと言われてきた菅さんだが、コロナ感染者数がグッと減っている現時点では、菅さんの評価がグンと上がってきているようで、どこの街頭演説会場に行っても結構大勢の聴衆が集まってくるようだ。

その菅さんを上回る聴衆動員力を発揮しているのが、安倍さんである。

SNSを通じて流れてくる自民党の候補者の街頭演説会場の様子を見ていると、どこの会場にも大勢の聴衆が集まってきている。

当然、動員された方々ばかりだろうが、それでも実に多い。

これが自民党の底力なのかも知れない。

安倍内閣が何故あれほど選挙に強かったのか、ということの理由の一端が微かに明らかになってきた。

安倍さんの演説内容は、選挙には格好だったようだ。

まあ、安倍さんが応援演説に来たことで候補者の得票がどれだけ増えるか分からないが、安倍さんに応援された候補者の陣営が安倍さんの応援演説で奮い立つことは間違いなさそうだ。

立憲民主党の枝野氏は、共産党とは明らかに距離を置こうとしているんじゃないかな

衆議院選挙が終ったら、立憲民主党は共産党といずれ袂を分かつことになるだろうと思っているので、現時点ではあまり共産党を過大評価しないようにしようと努めているところである。

共産党がいくら選挙に強いと言っても共産党単独で小選挙区に当選者を出すことは事実上不可能なので、共産党を実力以上に評価しない方がいいはずだ。

立憲民主党の枝野氏は共産党との距離の取り方に悩んでいるようで、共産党の党首と一緒に並んで写真を撮られるようなことは徹底的に避けている、という報道があった。

多分、それが正解だろう。

共産党の支持者の方々が立憲民主党の候補者に投票してくれるのは歓迎しても、絶対に共産党に牛耳られるような存在になってはいけないはずだ。

立憲民主党が共産党に近づけば近づくほど、無党派層や中間層の方々が立憲民主党から離れる虞が強いから、ほどほどにすることである。

まあ、選挙の真っ最中なので、今の段階で共産党を邪険にすることは出来ないだろうが、将来を考えると共産党とは一線を画しておいた方がいいはずである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年10月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。