黒坂岳央(くろさか たけを)です。
ビットコインは昨年2020年3月に40万円台だったが、今年半減期後の暴騰で一時800万円に迫る勢いを見せた。わずかな期間で20倍となった計算だ。SHIBというコインは1億%もの異次元の上昇を見せている。仮想通貨(暗号資産)界は米国の盛り上がりが、世界の投資家を牽引する格好となっている。
SNSでは「億り人になった!」と自慢げに吹聴する人や、それを称賛する人の姿を見ることがある。だが、それにはリスクも伴う。近年、仮想通貨にまつわるハッキングや殺人事件などのニュースは決して珍しいことではないからだ。個人的に「自分はビットコインを買い、所有している」とむやみに人前で言うべきではないと感じている。4年以上前からクリプト界を見てきて、その行為にはデメリットしかないと感じるからだ。
仮想通貨は怪しい?
多くの人にとって「仮想通貨」という印象は、どちらかといえば「怪しい」「詐欺」というネガティブな傾向だろう。その理由はよく分かる。犯罪者による送金に使われたり、ハッキングや殺人事件など犯罪的な話題に事欠かないからだ。また、「仮想通貨で数十億円を稼いだ」という人物が現れれば、一般的理解を遥かに超える話であり「よくわからないけど、とにかく怪しい」と思うのが普通の感覚である。実際には仮想通貨が問題を引き起こしているのではなく、問題を引き起こすものが仮想通貨を道具として使っているに過ぎないが、人々のネガティブな印象を払拭するには、まだまだ現実世界で使われる実績と経験を待つ必要があるだろう。
本稿ではクリプトの持つビジネス、資産性保持としての有意義さや法定通貨との関係性を論じることはしないし、その存在価値の否定、肯定も一切の表明を避ける。端的にいえば、「仮想通貨とは理解を超えた得体のしれない存在」として怪しいという先入観を生み出しているということは間違いないということだ。
そのため、「ビットコインを持っている」と言われても、多くの人はネガティブなイメージを持つだろう。そもそも、仮想通貨に限らず「自分は投資をしている」という発言自体、まだまだ否定的に受け取られるケースは少なくないのだ。「楽して稼ごうとしてケシカラン」「ギャンブルにうつつを抜かす人物」とイメージを持つ人は依然として存在するためだ。また、投資で稼いでいると言えば、相手の嫉妬心に火を付けるデメリットが生まれる。メリットのない行動を自発的にすることは愚かであり、人前では「ビットコイン」というワード自体を出さない方が良いと考えるのだ。
ビットコイン強奪事件
過去にはビットコインを強奪する事件も起こっている。我が国でも、2017年に事件が起きており、犯人は無期懲役刑となっている。
日本人ならほぼ全員が日本円を使ったり、保有している。だが、ビットコインの保有率は非常に低く、自ら所有していることを表明しない限り、相手に知られることはまずない。それ故に強奪される事件が起きる度に、その理由がSNSや知人に「この通貨でたくさん儲けた」などと本人が吹聴していたことによって、誘発されていた事実が明らかになっている。中には恋人から命を奪われたケースすらあるのだ。
ビットコインと、日本円ではたくさん持っていることが相手に知られることのリスクはまったく異なる。その理由に「ビットコインは送金の足がつかない」という誤解も手伝っているのだろう。
仮想通貨への真の理解は難しい。経済学、金融理論、ITテクノロジー、地球環境問題、暗号理論、国家政策、はては哲学的まで包括的な知識と深い理解が必要となる。そのため、投資やコイン開発をする人たちの中でも見方は個々人で大きく異なるほどだ。繰り返しだが、この手の話題は一般の面前での公言は避けるのが賢明だろう。
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