「在職1日でも文書通信交通滞在費(文通費)を1ヶ月分、満額100万円受け取ることが出来る」
国会議員の感覚がズレまくっている事を如実に表した問題ですね。
遡ること11年前の11月12日。
私が発議者となって国会に提出した法案がありました。
法案作成の際、同意を得るために、全てのみんなの党の所属参院議員の部屋を何度も回った記憶があります。
党内はまとめる事が出来たものの、結局は他のどの政党にも賛同してもらえず、国会で審議さえしてもらえませんでした。よって、私がやった事は意味が有りませんでしたが(政治家は結果が全て)、それから10年以上の時を経て、同じように新人議員の小野さんがその問題に気付いてくれたこと。現在の第三極の中心である維新の会が一気にそれを世の中に広めてくれたこと。そして、その勢いに乗って法改正の可能性が出てきたこと。非常に感慨深いものがあります。応援の気持ちでいっぱいです。
老婆心ながら一つだけ。このような議員本人の身分や特権に関わる問題はスピード感を持って一気に実現しないと、抵抗圧力が強まってくるので要注意です。
実は当時のみんなの党の中でも徐々に初心を忘れ、歳費や期末手当等の削減に反対の思いを(裏で)訴える者が何人か出ていました。
また、解党の時には「政党助成金を国庫返納しよう」と提言し、執行部と息の詰まるような交渉をしていた私に対し、水面下で相当なプレッシャーをかけてくる人たちもいました。入党する時に約束した「国民の血税を正しく使う」「ムダを削減する」との約束はどこにいっちまったんだよ!と正直、憤りを隠せなかったです。
橋下徹さんもよく言っている事ですが、国会議員になって時が経つと永田町の非常識に染まってしまうのです。何年間も新人の心意気を忘れずにいられる人は本当に一握りでしょう。
今は「文通費の制度はおかしい」と公言している与党の新人議員も多く出てきています。更には先輩議員たちも、再選して戻ってきたばかりのタイミングですから、明確な正論を押し潰す程はダークサイドに落ちてはいない状態です(選挙期間中はいち国民に戻り、有権者にアタマを下げまくるので、少し正常化しています)。
この問題は数多くある過剰な議員特権の一つでしか有りません。しかし、これを改革できれば初めの1歩になる可能性が十分にあります。ぜひ一気呵成に法案を提出し、実現して頂きたいと思います!
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、元参議院議員の松田公太氏のオフィシャルブログ 2021年11月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。