立憲民主党 代表選はなぜ盛り上がらないのか

立憲民主党の代表選が19日告示、30日投開票となっています。一時は5名ぐらいの候補者の名前がありましたが、立民の支持者でも「誰、その方?」という人もいるぐらい小粒ぞろいです。しかも出馬までなんともグダグダしてしまったその背景を含め、考えてみたいと思います。

立憲民主党代表選に立候補予定の4名 NHKより

アメリカの民主党が政策的に立憲民主党に近い位置づけだと仮定すればアメリカのそれは党内に様々な考えがありすぎてバイデン大統領すら纏められないとされます。つまり、議員は選挙民の代表であるというプライドと使命感で党の主義主張と自分の立ち位置との緊張間の中で妥協点を模索するとも言えます。

ところがこれは立民に限ったことではないのですが、日本の政治は比較的党内の縛りの中で自由が利かないことが多いものです。自民党はその中ではむしろアメリカの民主党のように幅広い思想と党内政治があり、総理や幹事長の力次第でベテランや大臣経験者でも干されてしまいます。例えば石破さんは党首選の時以外は名前を聞くことはないでしょう。その点では自民党は組織が巨大化しすぎて首相すら自由が利かない政党になっているのが弱点でもあります。

一方の立民は小さすぎるのに組織構えだけは一流なのです。その典型が今回の代表戦です。国会議員は140名しかいません。しかし代表選に出馬するには20名の推薦を要します。つまり、計算上、逆立ちしても7名が最大です。その中で5名ぐらい候補の名前が上がりましたが、これは自民の20名の推薦とは段違いの薄氷の推薦である、ともいえるのです。

例えば枝野氏が所属するサンクチュアリという最大会派がありますがここの所属議員も名目上、26,7名ですが実態は、1,2回生が16名もおり、コアメンバーとの温度差が確実にあり、近藤昭一代表のグリップでは厳しい状態です。そのサンクチュアリから小川淳也、逢坂誠二氏の名前が取りざたされ、逢坂氏に続き、小川氏も20人の推薦をギリギリで集めたようです。

泉健太氏、西村智奈美氏も正式出馬になりました。泉氏は旧国民からの合流派で前回の代表選で枝野氏に敗れています。西村氏は全く存じ上げません。一部には代表選が全員男性だと困るから、と書かれていますが、それでは数少ない出馬枠でサクラを出したのか、ともとられません。それと西村氏が女性が出馬しないと、と述べていたのですが、性別で区別する考えこそがおかしいのだと思います。ふさわしい人がいるのかどうか、それが肝なのです。

そもそも今回の冴えない代表選の背景には枝野氏自身に原因があるとみています。つまり、枝野氏が運動家気取りで好き勝手やりすぎて、組織を軽視したのです。自身の力を過信し、自分ではないとだめだ、とたぶん周りからのチヤホヤもあったのでしょう。知名度と言い、相手への食いつき方と言い、アンチ自民の方々には留飲を下げてくれる方であったわけです。

しかし今回の代表選では枝野式の相手を罵倒することを反省材料とした選挙戦が展開される可能性が高いとみています。つまり過去の否定から入りたいのでしょう。これは政党とすれば数歩後退してしまうことになります。そうは言ってもつい先日の衆議院選で一致団結で声を上げてきた中、そう簡単に全否定も出来ない訳です。共産との枠組みもどうするのでしょうか?私なら「枠組み解消」を代表戦で訴えます。間違いは間違いなんです。素直にそれを認める勇気も必要でしょう。

既に目線は来年の参議院選に着目する流れもあります。私は今の自民もさえないと思っています。多分、こちらも維新がスーッと上がってくると思います。私の予想は自民は公明との関係疎遠化、維新と国民民主との合流、自民は維新にラブコールをするも振られる、という流れを予想しています。その中、野党第1党ながらBグループの立民は相当苦戦する流れではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年11月19日の記事より転載させていただきました。