政府は、人手不足のとくに深刻な業種の14分野で、外国人の在留資格である「特定技能」について「在留期限」をなくす方針を固めました。
建設・造船の2分野だけでしたが、今後は農業・製造・サービスなど様々な業種に広げていきます。
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外国人就労が「無期限」になるということで、事実上の移民の解禁だという指摘があります。
外国人就労が「無期限」になるとの報道。「家族の帯同」も可能だ。これは事実上の移民の解禁。人手不足への対応は必要だが、こんな重大な政策変更をするなら十分な議論が不可欠。現行の技能実習制度や特定技能制度にも問題が指摘されており、速やかに国会で議論を始めるべき。 https://t.co/Lxl03w0Mey
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 18, 2021
けれども、在留5年+家族帯同不可では、もはや斜陽となった日本には来てもらえないので、制限を大幅に緩和したようです。
外国人労働者の在留資格「特定技能」は、1号(在留5年まで+家族帯同不可)と2号(在留無期限+家族OK)があり、これまで2号は建設と造船の2分野に限られていた。
だが在留5年+家族不可では不人気で人が来ないので、ついに労働力確保のため、幅広く在留無期限+家族OKの扱いを認める方向に動き始めたのである https://t.co/QxtCbhYEA8
— Shin Hori (@ShinHori1) November 18, 2021
するべき議論を先送りにした結果の、なし崩し的な解禁のようです。
ちょうど3年前の今頃か。フジテレビの番組で岸田政調会長(当時)と、外国人労働者の件を論じたのは。このとき岸田さんは「新設の在留資格、特定技能1号2号は移民政策の始まりではない」と言った。この2ヶ月前、虎ノ門ニュースに出た安倍総理(当時)も「移民政策はとらない」と。しかし今どうよ。 https://t.co/9S17asCDMx
— 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) November 18, 2021
産業界と国民の間の温度差は広がるばかりのようです。
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先進国では一般的に、外国人就労制度の対象は「高度人材」のことを指すようですが、日本では「非熟練低賃金外国人労働者」の無制限移民許容制度となってしまいました。
日本では反応鈍めなんですが、これ実は先進国では最も緩い「非熟練低賃金労外国人労働者」の無制限移民許容制度ということになります…
他の国は学歴、年収、技能などで外国人就労は厳しい制限があり、永住権取得は大学院卒高賃金の人ですら取得には就労後3-5年が当たり前。家族呼び寄せ禁止多い https://t.co/DlV58po9eM
— めいろま「みにろま君とサバイバル」集英社から発売中 (@May_Roma) November 18, 2021
野暮な指摘ですが、失われた30年のうちに、われわれが「日本とは何か、日本人とは何か」ということを考えてこなかったツケかもしれません。
外国人在留資格の“特定技能”が事実上、無期限に。日経は“長期就労への道を開く転換点”と。“行うべきは国会を通さず厚労省の通達で決められた外国人への生活保護の廃止と、永住資格の更新厳格化。在留管理と出口を厳しくせぬ内に入口ばかり広げる愚かさ!”と小野田紀美氏。日本が溶けていく。信じ難い。 https://t.co/ghVmyodxpT
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) November 18, 2021
また、地域住民に受け入れる準備はできているのでしょうか。長期的視点に立った議論が望まれます。