寿命52日でヨーロッパのデルタ株のピークアウトを予測する

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(モンテカルロシミュレーションで検証 連載44)

現在、ドイツを中心としてヨーロッパ各国でコロナ感染が急激に増加しています。ワクチンの接種も進んでいますし、デルタ株のピークも一度収まったかのように見えたのですが、10月に入り、ドイツ、ベルギー、フランス、スペイン、デンマーク、オランダ等の国が同期して急上昇しています。日本の解析で用いたウイルス寿命仮説を用い、ピークの立ち上がりの情報から、ピークアウトを予測しました。

想定されるピークアウトのメカニズムは、ウイルス寿命仮説と山火事理論のふたつです。他の可能性としてのワクチン接種の進展、人流の変化は、ピークアウトのような急激な変化の決め手にはなり得ないことを既に連載43で示しました。

図1がドイツ、図2がベルギー、図3がフランス、図4がスペインの結果です。黄緑線が陽性者のデータ、緑線が今回のピークの直前のピークの解析結果、赤線が寿命52日とした場合の予測値です。

各国とも近い将来ピークアウトするはずですから、実際のデータと比較することにより、ウイルス寿命仮説の妥当性を検証することができます。特に52日という日本で使った寿命がどの位普遍性があるかが興味あるところです。

今回、ひとつだけ日本の場合の解析から変更した点は、日本場合、寿命の後は100%感染をゼロにしましたが、今回は80%とし、20%は生き残るとしています。これはピークアウトには影響を与えませんが、ピークアウト後の分布が少し広がります。日本のような完全に感染ゼロの極端な減少は、他ではあり得ないだろうと考えたからです。